毎年11月の夜空には、『夜なのに空が眩しい』と感じるほど派手な演出が特徴なしし座の流星が観れるころ。
今回は、年に一度しか観るチャンスがないしし座流星群の観察方法について解説します。
星を眺めていると、時(とき)を感じませんか、目に見えない時空や地球の歴史を感じたりして普段の生活から解き放たれる感覚です。
星座の話は過去と未来を同時に考えることができる不思議な時間。
現実に疲れた時の気分転換としてもぜひ読んで、年に一度の星の観察を楽しむための参考に役立ててください。
2017年のしし座流星群は11月18日深夜01時と予測されています。参照:流星電波観測国際プロジェクト
1.しし座流星群とは
しし座流星群は、しし座に放射点をもつ流星群のことで、火球が多く見ごたえのある流星群。夜空に星たちが激しく流れ、空が明るいほどに輝く星の群れであるのが特徴。
『生きているうちに一度は見たい!』
そう思う方が多い、演出としてはとても派手な群星なのです。
日本では2001年から話題の星
日本でしし座流星群が話題になったのは、2001年。日本を含むアジアで1時間あたり1,000個の大出現を見せたことがあります。
母天体はテンペル・タットル彗星で、この彗星の公転周期である約33年ごとに流星嵐のチャンスがあるとされてきました。
過去には1799年、1833年、1866年、1966年などに激しい流星嵐が観察されていることから星を観察してきた人たちにとってはかなり人気の星座です。
毎年流星の数や質は違う
同じしし座流星群でも、年によって出現が活発な年や少ない時など、微妙に出現数が違います。
そして流星群ごとに流れる流星の性質も異なり、流星速度が速い流星群や、遅い流星群、また明るい流星が多い流星群などがあります。
しし座流星群は明るいタイプの流星が多く、華やかな流星群です。流星の中には痕と呼ばれる、流星が飛んだあとにモヤのようなものを残すものもあります。
このしし座流星群が出現するごとに流星天文学の進化があり、流星天文学の発展に重要な役割を果たしてきています。
流星群は極大日の数日前からその群に属する流星が流れ始め、そして極大日の夜に出現がピークになります。
極大日とは
一番流星が大きくなる日のこと
極大日の前後も流星がたくさん流れますが、最も多く出現する極大日の夜はとても多くの流星を見ることができるのです。
しし座流星群が他の流星とは違って特別なのですが、具体的にどう違うのかを次項で解説していきましょう。
2.流星と流星群の違い
流星とは
夜空を眺めていると、スーッと流れる一瞬の光があります、これを流れ星といいますね。
流星と流れ星は同じことを指しています。そして流星とはどのようにできるかというと、宇宙空間に漂っている直径1ミリメートルから数センチメートル程度のチリの粒が、地球の大気に飛び込んできて大気と激しく衝突をします。
その衝突の衝撃で、チリが高温になり気化します。それと同時に大気や気化したチリの成分が光を放ちます。その放った光を流星といいます。
流星とは宇宙空間に漂うチリが衝突したことにより発生した光のことでしたね。では、流星と流星群はどう違うのでしょう。
流星群とは
流星群は、天体上のある一点を中心にして放射状に広がるように出現する流星のことをいいます。
群といいますから、たくさんの流星ととらえて良いでしょう。
そして流星群には、毎年同じ時期に出現する定常群と、数年〜数十年おきに出現する周期群や突然活動する突発群があります。
しし座流星群とは
しし座流星群は周期群になります。
全ての流星群は、流星が飛んでくる方向(放射点)のある星座名をとって、星座名で区別されています。
流星群は必ず毎年同じ時期に起きるので、一度きりの流星群は存在しません。ただ、しし座流星群のように一定周期ごとに出現数が著しく増加するタイプの流星群もあります。
3.しし座流星群のこれまでの記録
しし座流星群の確実な最古の記録は西暦900年頃にあるようです。
日本だけではなく、中国や韓国などの資料にも残っているほど昔から頻繁に観測されていたようです。
最近では、2001年に多くの人がしし座流星群を目撃しました。
2001年のしし座流星群は大出現で、1時間あたり1,000個を超える流星が見られたようです。
一方で、2003年以降は、流星数がかなり少なくなっています。
この先は2033年〜2035年、2037年には数百まで増加するかもしれないとの予測ですが、2001年のような光景まではいかないようです。
その先では、2061年、2069年と数百程度は見えるだろうとの予測はされていますが、1時間に1,000個を超えるのは2094年が有力のようです。
4.2017年しし座流星群の観察に適した時間帯
2017年のしし座流星群のピークは11月18日深夜01時と予測があります。
例年、しし座流星群が出現するのは、例年11月頃となっており、一番の見頃は11月なかば〜後半にかけてです。
2017年のしし座流星群がよく見られるのは、11月10日から11月23日と予測があり、極大日は、11月17日の夜〜18日未明。
11月17日の19時頃、日没も過ぎ真っ暗になった頃から2017年11月18日の夜明けまでが観察する時間帯です。
5.しし座流星群の正しい観察方法
基本的にどの方向を向いてもしし座流星群は見えるのですが、より観察しやすいポイントを押さえておきましょう。
周りが暗い場所
月明かりが明るすぎると、流星が見えにくくなっていまいます。11月18日はちょうど新月、月明かりは少なめなので、月明かりに関しては心配がなさそうです。
空が見渡せる広い場所
できるだけ空が広く見渡せる場所を選んで、空の広い範囲に注意を向けるようにしましょう。
山や高原など自然の中ですと、街の光も届かずしし座流星群がきれいに見えるでしょう。
街の中でしし座流星群を見る場合も、空をより広く見渡しているほうが、より多くの流星を捉えられる可能性が高くなりますから、光害の大きい場所の場合は、少しでも郊外や、街灯や街灯りの少ない公園などへ行くと、より見ることができるかもしれません。
地面に寝転がって観察
空が開けた場所であれば、地面に寝転がって観測すると、星空が広がりとてもきれいです。そして最低でも15分以上は観察を続けましょう。
特に都市部ではそれほどたくさんの流星が見えるわけではありませんので、気長にしし座流星群を待つと良いでしょう。流星が見えた瞬間に願いごとをとなえるのもいいですね。
暖かい格好と飲み物を準備
そして寒い冬の時期となりますから、毛布や寝袋、あたたかい洋服を着こんで、暖かい飲み物も持参しましょう。
ゆっくりと美しい夜空を眺め、地球の天体ショーしし座流星群を楽しみましょう。
6.まとめ
カメラやビデオを持参して撮影する楽しみもありますよね。流星群を綺麗に撮影するにはスマホよりも一眼レフカメラの広角レンズで連続シャッターをきるのがベスト。
裸眼でも充分楽しめるのでぜひこの機会に夜空を見る計画をして見てくださいね。