皆さんは神社にお参りに行った時、神主等の神職の方が祝詞(のりと)を唱えている姿を1回は目にしたことがあるのではないでしょうか。
独特な節回しで奏上される祝詞は、聞いても今一つわからないものです。
でも何かしら効果があるから唱えられるものですよね。果たしてどの様な効果があるのでしょうか。
1.祝詞(のりと)とは
祝詞とは、神の徳を讃えて崇敬の意を表す詞であります。
神事を司る神主が神前で祝詞を奏上することで、神の加護や利益を得ることができます。
祝詞が普通の詞に比べてわかりづらいのは、昔の大和言葉による独特の文体や書式である為です。最も古い祝詞の例文が、平安時代に編纂された「延喜式」に収録されています。
現在、神前で奏上されている祝詞は、「延喜式」に収録されている祝詞を参考にしながらそれぞれの神社で作成しています。
2.神様も癒すと言われる祝詞(のりと)の5つの効果
① 自分と神様をつないでくれる
神職の方の様に形式的ではなくても、心を込めて神様に祝詞を奏上しましょう。
不思議なことに、神様と自分との間が近くなっていき、守られていることを感じることが出来ます。
② 神様を癒し喜ばせることが出来る
誰でも讃えられたり崇敬されると嬉しいように、神様も祝詞を唱えられると喜びと癒しを得ることが出来ます
そのことで神様のパワーをわけてもらうことが出来ます。
また山の神様などパワーの凄く強い神様に対しては、祝詞は改まった挨拶にもなります。登山をする前に神社に行って祝詞を唱えると、御加護を得ることができます。
③ 幸せが舞い込んでくる
祝詞を奏上することで、日常生活において小さな幸せが舞い込んでくることがあります。
「この頃運がいいな」と感じたり、ちょっとした悩みが解決したりと様々な「いいこと」が訪れてきます。
毎日「ありがたい」と思えるような出来事が増え、心穏やかに過ごすことができます。
④ 願い事が叶う
祝詞を奏上することで、相応の努力に見合った願い事を叶えてくれます。願い事という名の欲望や、努力なしの成功を与えることはないので注意しましょう。
⑤ 穢れを祓ってくれる
祝詞には悪いものを追い払い罪や穢れを祓い清める効果があると同時に、良いものを引き寄せてくれる効果もあります。
3.代表的な4つの祝詞(のりと)
様々な祝詞の中から、幾つか代表的で分かりやすいものを紹介していきましょう。
神拝詞(じんはいし)
神拝詞(じんはいし)神社を参拝する時に唱える祝詞です。
「祓え給い 清め給え かむながら 守り給い さわえ給え」
「祓え給い 清め給え 守り給い 幸え給え」
短い祝詞なので、他の参拝者の妨げになりにくいことが一番の利点です。短くとも心を込めて唱えていくことが大切です。
神棚拝詞(かみだなはいし)
神棚拝詞(かみだなはいし)家にある神棚に向けてお祈りする時に唱える祝詞です。
大祓詞(おおはらえのことば)
大祓詞(おおはらえのことば)毎年6月30日と12月31日に行われる大祓式の時に、罪や穢れを祓う為に唱えられる祝詞です。
大祓詞は、奏上するだけで功徳を授かるというとても縁起の良いものです。唱えれば唱えるほど功徳が増すとも言われているので、とても長い祝詞ではありますが最後まで心を込めて唱えることが大切です。
祓詞(はらえことば)
祓詞(はらえことば)ほとんどの神事の前に唱える祓詞になります。穢れを祓い、身を清める意味を持っています。
4.神社で祝詞を奏上したい!3つの注意点
神主等の神職ではないのだけれど、神様に祝詞を奏上したい!という人は少なくありません。
中には過去の祝詞を参考にして祝詞作成教本等で勉強し、自ら自分だけの祝詞を作成する人もおります。だからこそ神社で読みたいと思うのは自然の流れなのかもしれません。
しかし実際神社で唱えてみると、歓迎されないのでは・迷惑なのではと思われた方が多いのではないでしょうか。残念ながらそれは少し当たっております。
①熱心すぎてまわりの参拝の方のことが見えてない
何故ならあまりにも熱心に唱えすぎて、周りが見えなくなってしまう人がいるからなのです。
例えば賽銭箱の真ん前に立って、大きな声で長時間祝詞を唱えている人がおります。するとお参りに来た他の参拝者たちは、ろくにお参りをすることができずに帰ってしまわれます。
またもう一つのケースをあげてみましょう。
②立ち入り禁止区域に入り込む
その方は丁寧に「祝詞を上げたいのですが・・」と申し出てくれたのはいいのですが、「はい。いいですよ」とお答えした瞬間に立ち入り禁止の殿内に入ってこようとして、非常に神社の人達が困ったことがありました。
③作法がない
神前での儀式の作法には幾つもの細かい決まりがあります。
また服装に関しても時と場合に応じて違ってきます。そして何よりも心身を清めてから神の前に立つことが重要なのです。
この時は慌てて止めて事なきを得たのですが、この様な出来事が起こると神社側としても祝詞を奏上したい参拝者に対して警戒せざるを得ないのは自然なことなのではないでしょうか。
神社を参拝する時、単に拝むだけではなく祝詞を奏上したいと思う気持ちはとても良い事です。
もし貴方が神社で祝詞を奏上したいと願うのならば、
- 賽銭箱がある真ん中に立って長時間奏上しない
- 大きい声ではなく小声で読む
- 立ち入り禁止である殿内には入らない
等、他の参拝客に迷惑がかからない形で行っていきましょう。
5.まとめ
祝詞を奏上し神様を喜ばせて癒すことは、幸せを呼び込んでいくことへと繋がっていきます。
もし可能であれば、自分の家に神棚を設けて、心を込めて神様へ祝詞を奏上し神様との距離を縮めていっても良いでしょう。
それを日課にすることで、自分も神様も癒され幸せになれる・・そんなダブルの効果を得ることができるのではないでしょうか。