今年もそろそろ降る…日本の雪景色を楽しむための雪の名前10選

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Crystal of snow

日本語には、雪を表す言葉がたくさんあります。

中には日常的には使わわれない言葉もあり、その数は10種類以上にもおよびます。

さらさらとした雪を表現する『粉雪』は知っている方も少なくありませんが、屋根の上に積もった雪の名前やそこから滑り落ちた雪にさえ名前がついているのです。

雪の名前を知ることで、日本語の多様性と感性豊かな心をたしなむことができますよ。

今年もそろそろ北海道では雪が積もっている時期、ぜひ冬を楽しむ一面として役立ててください。

1.初雪(はつゆき)

冬の風景を楽しむには、まず初雪(はつゆき)から。

初雪とは、その冬一番に降る雪のこと、または新年になってから初めて降る雪のことです。初雪を皮切りに雪が積もり、冬らしい風景が造られていきます。

冬の使者のごとくやってくる初雪は、私たちに雪の季節の始まりを知らせてくれます。初雪は、ちらほらと穏やかに降ってくることもあれば、強い風と共に吹き荒れながらやってくることもあります。

そんな初雪を目にしたのならば、冬の序章を楽しむことができますよ。

2.新雪(しんせつ)

降って間もない柔らかい状態の雪のことを新雪(しんせつ)といいます。新雪はまだ結晶の形をとどめていることが多いです。

新雪の雪の結晶は崩れておらず美しい形を保てています。

万華鏡のように美しい結晶の形、とても不思議ですよね。雪の結晶には、35種類もの形のバリエーションがあるんです。いくら見ても飽きない美しい雪の結晶は、まさに自然の神秘ですね!

話が結晶へと逸れましたが、雪の結晶を見れるなんて、新雪が待ち遠しいですね。

3.雪化粧(ゆきげしょう)

雪化粧とは、その名のとおり雪によって風景がお化粧したように真っ白になる様子のことです。

雪が降り、やがて降り積もった雪は、辺り一面を真っ白な世界へと変えていきます。

街全体、公園、河川敷、鉄塔そして遠くの山……あらゆるものが雪に包まれ、これまでとは違った姿に変えるので化粧を施し違った顔を覗かせる美しい女性を思わせたのですね。

純白の雪がまちがお色直しをして美しい一面を魅せる、雪化粧は、光に照らされるとその魅力を増します。

朝陽や夕陽はもちろん、月の光に照らされた雪化粧も幻想的で綺麗ですよ。

4.綿帽子(わたぼうし)

樹木や山などに積もった雪のことを綿帽子(わたぼうし)といいます。

綿帽子とは本来、和装の婚礼で花嫁がかぶる白い帽子のことを指しますが、木々に雪が積もった様子がそれに似ていることから、「綿帽子」といわれるようになりました。

婚礼で使われる綿帽子は花嫁の頭がすっぽりと隠れるほど大きく、「挙式が済むまで新郎以外にはお顔を見せない」という意味があります。

普段見慣れている身近な木々や山も、冬だけは美しい花嫁姿を見せてくれているのですね。

そんな神秘的で奥ゆかしいイメージを持つ花嫁の綿帽子を木々に積もった雪になぞらえるなんて、人間の想像力は豊かですね。

5.垂り雪(しずりゆき)

木の枝や屋根などに積もった雪が滑り落ちる様子を垂り雪(しずりゆき)といいます。

何の前触れもなく急にどさっと落ちることもあれば、太陽に照らされて溶けかかった雪が静かに地面に落ちることもあります。

目の前に突然落ちてくると、びっくりするかもしれませんね。

頭上に木々があるのを知らずに歩いていると、雪を大量にかぶってしまったなんてハプニングも起こるかもしれません。

空から地面へと直接降り積もる雪だけでなく、屋根などから滑り落ちる雪を見つめるのも、風情があっていいですね。

6.風花(かざばな)

風花(かざばな)とは、晴天時に雪が風に舞うようにちらちらと降る様子のことです。その様子が花びらが舞う姿に似ていることから、風花と名付けられました。

白い雪が舞い始め、積もるかと思っていたらふっと消えてしまう……。

そんな儚く美しいイメージを持つ風花は、映画や小説のワンシーンに登場したり、季語としても使われたりしています。

青空の中を白い雪が舞っているなんて、何だか不思議ですね。

淡いピンクとブルーのコントラストがとても美しい風花は、ほかの雪と比べると目にする機会が少ないかもせれません。流れ星のような風花に遭遇したら、何か願い事をしてみてはいかがでしょうか。

7.雪明かり(ゆきあかり)

積もった雪に光が反射し、夜でもあたりが明るく見えることを雪明かりといいます。

晴れた昼間に太陽の光が雪で反射して、眩しくて目が開けられないことってありますよね。

それと同じように、夜になると雪に反射した街灯や月の光によって、周囲が程よく明るくなることがあります。

昼間とは異なる独特の風景が、雪明かりによって作られていきます。昼間だけではなく、夜も雪を楽しむことができるんですね。寒くて暗い夜道でも雪明かりが足元を優しく照らしてくれると、心が温まりそうですね。

8.深雪(みゆき)

深く降り積もった雪のことを深雪(みゆき)といいます。また、雪そのものの美称としても使われることがあります。

「深」という漢字は、深奥・深遠・深層意識・深化などの単語の一部としても使われ、「人智を超越した」というスピリチュアルな意味も含んでいます。

天から舞い降りた、純白の神聖な雪
自然の厳しさを教えてくれる雪
大地を浄化してくれる雪

深雪(みゆき)という一言には、大自然の神秘が含まれているのかもしれません。自然への畏敬の念と感謝の気持ちを持ちながら、雪を眺めてみるのもいいかもしれませんね。

9.名残雪(なごりゆき)

冬の最後に名残を惜しむように降る雪を名残雪(なごりゆき)といいます。

歌手のイルカさんがカバーし大ヒットとなった、かぐや姫の名曲「なごり雪」は有名ですね。

この曲の「なごり雪も 降る時を知り」という歌詞のように、名残雪は、冬が終わる別れの時を選んで、天から舞い降りてくるのかもしれません。

名残雪は「厳しい冬の生活や楽しかった冬の思い出」を思い起こさせる一方、私たちに「春の訪れ」を予感させてくれます。

さまざまな想いを含んだ名残雪を見ると、何だか複雑な気持ちになりそうですね。

10.去年の雪(こぞのゆき)

春になっても溶けずに残っている雪のことを「去年の雪」といいます。木陰や岩陰など、太陽の光が当たりにくい場所に残っていることが多いです。

桜やタンポポなど春の花が咲き乱れるなかでひっそりと残っている去年の雪は、たくましさが感じられる一方で、寂しさも感じられます。

名残雪が降り終わった後でも目を引く去年の雪は、私たちに何かメッセージを送っているのかもしれません。

そのメッセージを想像しながら去年の雪を見るのも、風情があっていいかもしれませんね。

まとめ

さまざまな雪を紹介しましたが、お気に入りの雪は見つかりましたか?

幾多ものストーリーを持つ雪は、季語や歌詞そして人の名前にも使われており、私たち日本人とって身近なものなんですね。

厳しい寒さに負けそうになったら、色々な雪の名前を思い出してみましょう。きっと、心が温まるまずです。雪に対する感性を開き、去年までとはひと味違う冬を楽しんでみてはいかがですか?

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