医学の「気功法」と言われると、ちょっと難しく考えてしまうかもしれませんが気功法とは日常出来る健康法です。
中国伝統の民間療法、代替治療です。健康法として太極拳と同様公園などで広く行なわれいます。
「道具もいらない」
「場所もとらない」
「今すぐに始められる」
のが特徴で中国古来の健康方法です。
体調が良くないときに薬・施術ではなく自らの治癒力で回復できる方法を紹介していきます。
1.初心者でも出来る気功法のやり方
気功法の原点は呼吸法にあります。
息を吸って吐くだけで場所もとらず簡単に出来る気功法です。
その中で今回は『六字訣(ろくじけつ)』とゆう中国でも最古と言われる呼吸法をわかりやすく紹介します。
六字訣(ろくじけつ)
▼六字訣 Liuzijue Qigong (Six Healing Sounds)
六字訣のやり方をお伝えします。
全身をリラックスさせて鼻から息を吸い口から音を出しながら息を吐き出します。
この口から吐き出される音の振動により内蔵器に刺激を与え、働きを整えるというものです。
活性化させる内臓の部位ごとに吐く音、動作を紹介していきますね。
肺から大腸に効果的な気功法
効果|皮膚や髪の毛に、潤いを与え調えます。
症状|鼻に大きく関係するので、鼻水や鼻づまりの症状がでます。また、気分的にも悲しみや憂う気持ちが強くなります。
方法|
- 椅子に座ります。
- リラックスをして両手を軽く胸に当て太陽に手を翳すように持ち上げながら鼻から息を吸います。
- 胸を反らせたまま「スー」と言う音を出しながら息を吐きます。
- 最後まで息を吐ききったら手の平を上に向け膝におろします。
腎臓から膀胱(ぼうこう)に効果的な気功法
効果|骨が丈夫になり、頭の中が、すっきりします。
症状|耳に大きく関係するので、中耳炎や難聴になります。また、恐れが強くなります。
方法|
- 椅子に座った状態で少し背を丸め両膝を軽く抱えましょう。
- 鼻から深く息を吸い込みます。
- 息を吸いきったら、正面を向き「チョー」と言う音を出しながら、吐き出します。
- 最後まで息を吐いたら、手のひらを上に向け、膝におろします。
肝臓から胆のうに効果的な気功法
効果|血行が良くなり肌色が良くなります。
症状|目と大きく関係するので、疲れ目やドライアイになります。また、精神的にイライラがつのったり怒りっぽくなります。
方法|
- 椅子に座った状態で、両手を軽く前に出し息を吸いながら上に上げていきます。
- 頭より上がった時点で、両手を組み、手のひらを外へ向けて、上へと伸ばします。
- 「シュー」と言う音と共に、息を吐きながら身体を少し左に傾け、右脇を伸ばします。
- 最後まで息を吐ききったら手の平を上に向け、膝におろします。
心臓から小腸に効果的な気功法
効果|冷え症が改善します。
症状|舌と大きく関係するので、舌の炎症や動きが悪くなります。また、傲慢な態度を取るようになります。
方法|
- 椅子に座った状態で両手を軽く前に出し息を吸いながら上に上げていきます。
- 頭より上がった時点で両手を組み、手のひらを外へ向け上へと伸ばします。
- 「ハァー」と言う音と共に息を吐きながら身体を少し右に傾け、左脇を伸ばします。
- 最後まで息を吐ききったら手の平を上に向け、膝におろします。
脾臓(ひぞう)から胃に効果的な気功法
効果|良質な筋肉を生成します。
症状|口と大きく関係するので口内炎などになります。また、情緒不安定になります。
効果|
- 椅子に座った状態で、ゆっくり鼻から息を吸いながら両手を左肋骨下に当て背中を丸めるように屈みましょう。
- 屈んだまま「ホォー」と言う音と共に、息を吐きだし背中を突き出すように伸ばします。
- 最後まで息を吐ききったら、手の平を上に向け膝におろします。
三焦(さんしょう)
六字訣のなかの最後にある、「三焦」は、本来、人の臓器ではありません。
これは、人の持つエネルギーで、さらにそれを3つに分けたものです。
- 上焦:頭から胸まで
- 中焦:胸から臍まで
- 下焦:下っ腹部分
この3つが改善されるとデトックス効果があり、内臓に溜まった余分なものを取り除いて体調を整えてくれます。
- 椅子に座った状態で手のひらを下に向け背もたれを使い身体をのけ反らせながら、鼻から息を吸います。
- 手を頭の上の方へと持っていきます。
- そのまま「ヒー」と言う音と共に、手のひらを下に向け押し出すようにします。
- 身体の表面(胸・腹・下腹)を通過させます。
- 最後まで息を吐ききったら、手の平を上に向け膝におろします。
簡単にできそうな感じがすると思います。以上、6種類になりますがどの方法も息を吸うよりも「吐ききる」ことを意識してください。
一日ワンセットからトライしてみてください。
2.気功法の特徴
気功法とは身体の中にある、線「経絡(けいらく)」に滞った個所に、エネルギーを注入して本来の動きをさせる中国古来の医学療法です。
と言うとちょっと難しく考えてしまうかもしれません。
簡単に言うと本来人間が持っている、エネルギーを活性化させて健康体を作り維持することです。
そしてまた、気功法の中には武術である「太極拳」なども含まれます。
身体の中心から健康にする気功法は外敵からも自分の身を守ることも出来るわけです。
色んな顔を持つ気功法は今すぐに始められる簡単な健康法です。
健康な身体があればこそ、楽しい日常が送れるというものです。
3.気功法に重要な陰陽の考え方
万物は陰と陽の2つの性質に分けられる
気功法と陰陽五行思想(いんようごぎょうしそう)と深く結びついています。
陰陽五行思想とは、中国の春秋戦国時代ごろに発生した陰陽思想と五行思想が結び付いて生まれた思想のことです。
古代中国では、自然界のあらゆるものを陰(いん)と陽(よう)にわけました。たとえば、太陽は陽で月は陰、奇数が陽で偶数が陰、表が陽で裏が陰という具合になります。
陰の性質
陰の性質はより物質的で、固まるエネルギーであり、よりゆっくりしていて、より冷たい性質があります。
陰はより内側にある、心理的な性質があります。感情、印象、感覚などに関わります。
さらに深く考えていくと、陰は外のものを受け入れる、受容の性質があります。観察し、許容し、適応するのが陰です。
陽の性質
陽の性質は、非物質的で、より動きのあるエネルギーで、より速く、より温かい性質があります。
自然界の現象で表すと、暗闇や夜、冬は陰になり、昼間や夏、日差しは陽になります。水は陰ですが、蒸気になると陽になります。私たちの体を表すと、細胞や組織、内蔵は陰にあたり、エネルギーや生命力は陽にあたります。
陽は意識にあがってくる、思考、分析、論理などに関わります。
そして、自分を表現するのが陽の性質です。的確に自分を表現し、目的を明確にできます。
万物は水・木・火・土・金の五元素の性質を持つ
「五行」というように、五行説は五つの元素を軸に考えます。
万物は水、木、火、土、金の5つの元素に分けられ、それらがお互いに影響し合って宇宙が成り立っていると考えます。
この五つは、アーユルヴェーダの五大元素(空、風、火、水、地)と似ていますが、少し違う考え方です。
アーユルヴェーダの五大元素は、万物の性質を表すのに対し、五行説の5つの性質は、自然のエネルギーや動的な力のような概念です。
こうした陰陽の考えは気功法の基本思想とされます。
4.まとめ
中国伝統の民間療法、代替治療です。健康法として太極拳と同様公園などで広く行なわれいます。
一定の医療効果を上げてきたので、中国では病院や療養所などで気功科を併設している場合もあり日本でも様々に深化発展しています。伝統的な健康法もたまにはいいでしょう。