大きな家、立派な車、おしゃれな服、たくさんの友達、お金持ちで優しい恋人や夫・妻、最新のデジタル製品…挙げればきりがありませんが、自分の持っているものを「素敵だ」と評価してくれる人達がいるかもしれません。
でも、他の人から見られてどう思われるかを第一優先にして物や人付き合いを選んでいるとしたら、注意信号です。
自分の幸せは、人の評価ではなく、自分自身の心が決めるものだからです。最近、「持たない暮らし」という生き方が注目を浴びています。自分の人生にとって必要なものを厳選し、それ以上のものを持たずに生きていくのです。
「ミニマリスト」という言葉も近年聞かれるようになりました。彼らは、自分にとって何が必要か、本当に必要かを常に考え、それ以外の要らないものを捨てる、または手放すことによって、とても豊かで幸せな生活をしているのです。
所有欲を捨て、最小限のもので心豊かに暮らすことで自分にどんな変化が起こるか、探っていきましょう。
理由①自分の選んだ物への信頼度が高い
他人の評価を気にするということは、「自分をよく見せたい」という思いからくるものですが、これは「見栄」であり、それだけ「自分に自信がない」ということです。
見栄を張っている間は、本来の自分の姿を隠し、偽った自分でいなくてはなりません。自分に嘘をついているのです。これでは心身ともに健康な状態とはいえません。
この見栄を捨てることで、より自然体の自分でいることができ、自分に自信もつきます。「私はこれでいい」と自分で認める力がつき、健全な自尊心が向上していきます。
そうしてありのままの自分を認めることができるようになってくると、不思議なことですが自然に、自分に必要なだけのものや人間関係を絞り込めるようになっていき、良い循環が自分の中に起こってきます。
理由②肉体的にも精神的にも身軽
余計なものや人が周りになくなると、それらに気を留めなくてよくなるので、要らないことを考えたり、悩んだりすることもなくなっていきます。
頭や心の中に溜まっていたノイズが消えてクリアになるので、よどみのない柔軟な考え方ができるようになり、心にも余裕ができるので優しくなれます。結果、仕事や勉強の能率や成績も上がり、職場や学校に行くのがより楽になります。
理由③良縁が途切れない
無駄を省くことによって、必要なことに集中することができるようになり、些細なことでいらだたなくなるので、人格が向上し、職場や学校、家庭が自然に和やかな空気になっていきます。
所有欲に支配されている人は、焦ってがっついている様子が他人からもわかってしまいます。欲のない穏やかな人は、周りに安心感を与え、平和な雰囲気を作り出すことができるので、意識しなくても魅力的になれます。
自分自身も、所有欲を捨て「量より質」の人間関係を構築することができるので、良縁を引き寄せる体質になっていきます。
理由④心も体も健やか
物理的にも自分の周りがきれいになるので、ウイルスや雑菌、カビといった有害物質が減り、身体も健康になります。
よく「清潔にしていると気の巡りがよくなる」と言われていますが、結局は自分の周りから無駄を削ぎ落とすことで、心も体も穏やかで楽になるということなのですね。
理由⑤お金は『便利な物』という価値感
自分に本当に必要なものだけを厳選して暮らすようになると、それ以外のものは買わなくなります。
お店やネット、CMや広告を見ても、「これは本当に必要?」と考え、よく見極めてから買うようになるので、より良質なものを手にすることができ、衝動買いがなくなるので無駄な出費はなくなります。
理由⑥短所より長所を伸ばせる
持っているけれど必要ない、そんなものを必要としている人のところに回していくことによって、自分は不要なものを手放し、相手は手に入れることができる、そんな理想的な状況を作ることができ、モノが本来持っていた役割を果たせるようになります。
この方法だとモノの命を活かすことにもなり、罪悪感も残りません。人にも応用することができます。
理由⑦豊かさを知る
インターネットが普及した現代は、SNSなどでいつでも他の人と繋がることができますが、これは裏返すと24時間365日、いつでも他の人に縛られていることもできるということです。
頼まれてもいないリア充アピールをするために、物やサービスを買い、写真を撮ります。そして少しでも多くの人に「いいね!」してもらうのを待つ生活が、果たして本当に自由で幸せなのでしょうか?
リア充であることなど、人に認めてもらわなくてもなれます。自分が充実していれば、「いいね!」なんて言ってもらわなくても、何も不安にならないし、それについて思いを巡らせるだけの時間と労力を、他の楽しいことに使うことができるのです。
理由⑧仲間を築ける
ネットでのやり取りに気を取られず、リアルでの人間関係を大切にできるようになるので、自分も成長しますし、他の人のために何かをしようという思いも芽生えるようになります。
本当の意味で自分を大切にできるようになると、他の人を尊重することもできるようになり、お互いに信頼関係が生まれます。
家庭や職場、学校で、皆がイライラすることなく気持ちよく快適に過ごすことができるようになります。
理由⑨幸せの沸点が低い
それまで不必要な物や人に支配されていた心が解放されることで、自分自身の感受性を取り戻すことができます。「ありがたい」という言葉は「有り難い」と書き、「なかなかあることではない存在や事柄」というのが語源です。
その言葉の通り、それまで気にも留めなかった天気や景色、また周りの人がしてくれたことなどが全て、たとえそれらが自分に不都合なことであったとしても、貴重で大切なこととして大きな視点で受け取り、感謝できるようになります。