アーティチョークという野菜を知っていますか? フランスの野菜の一種で日本では知られていません。
アメリカ・ヨーロッパでは比較的ポピュラーなパスタやグラタンといった料理の食材として使われていて、海外で初体験という日本人が多く『以外にはまった』というほど、見た目とは違って味は高評価を得ています。
今回は、 その個性的な外見からは想像もつかない味と評判のアーティチョークの生態系から食べ方、そして味や効果等も含めて紹介していきましょう。
アーティチョークは消化不良、食欲不振、高コレステロール血症、動脈硬化などの方に相性が良い食材です。
1.アーティチョークが日本に渡来したのは江戸時代
アーティチョークは学術的に言うと、和名『チョウセンアザミ』という紫色の花を咲かせるキク科の植物です。 元々野生で咲いていたアザミが原種で、品種改良の後ナポリで本格的に栽培が始まりアーティチョークは欧米諸国へ広まっていきました。
実は江戸時代に日本にもオランダから渡来していたのですが、個性的な風貌も含め普及には至りませんでした。
アーティチョークの特徴
アーティチョークはとても個性的な風貌を持つ植物です。 その特徴の一つに、大きさが挙げられます。 高さは1.5m~2m、人と同じくらいの高さがあります。
そして葉の大きさは1枚50~80cmもあり、可食部分になるつぼみの大きさは1個8~15cmにもなるのです。 またアザミの仲間であるアーティチョークは、痛い棘もあります。
大きな葉に手の平ほどもあるつぼみ、自分の身の丈程あるこの巨大な植物が昔の日本では根付けなかったのも無理のない話ではないでしょうか。
アーティチョークはどんな味?美味しい食べ方
日本ではあまり見かけることの少ないアーティチョークですが、近年食材としての需要も増えてきています。 主に三浦半島の辺りで栽培されてあるのを見かけることがあります。 基本アーティチョークは蕾の状態の時に収穫し、そして食することになります。
そこで良く耳にするのが、初心者にはお薦めのできない野菜であると言うことです。 何故ならアーティチョークは可食部(かしょくぶ)と呼ばれる部分に到達するまでの道のりが非常に長い野菜であるからです。 だから、すごく難儀してもいいから食べてみたい!という情熱が必要になってきます。
ちなみにアーティチョークの可食部と呼ばれる部分の味はと言うと、その見た目とは裏腹にふかした芋の様なほんのりとした甘みとほくほくとした食感を味わうことができます。 それはとても美味しく、ヨーロッパに旅行に行った時食べた味が忘れられなくて・・という方も少なくありません。
2.アーティチョークの基本的な食べ方
① アーティチョークの蕾の先の尖った部分を切る
アーティチョークを良く洗ってから、ハサミ等で先の尖った部分を切り落とします。 このガクの尖った部分がささると痛いので注意しましょう。 この部分を切り落とすことで、次の工程の茹でる・蒸すの作業時間が短くなります。
② アーティチョークを茹でる(または蒸す)
大体30~45分位茹でます。 レモン汁で茹でるとアクに対して効果的です。 茹で上がりの目安はガクがスッと剥がれるくらいになる位です。 ちなみにゆで汁は黒く濁ってしまいます。
③ ガクを1枚1枚全て剥がす
中心に近づいていくほど、ガクがまだ熱い場合があるので、火傷には十分注意しましょう。 微量ですが、ガクの付け根の白い部分は食べることが出来ます。 味はソラマメに似た濃厚でクリーミーな感じ、歯でこそぎ取るように食べましょう。
④ 花の部分を取り外す
ガクを全て外すと、中からフワフワとした毛の様な花の部分が現れます。 この部分は食べられないので、全て取り除きましょう。
⑤ アーティチョーク・ハートを食べる
花を全部取り除くと、さかずき状の部分が残ります。 この部分はアーティチョーク・ハートと呼ばれ、先程のこそぎ取るようにして食べた部分が集まっています。 そのまま食べてもホクホクして美味しいし、焼いたり揚げたり、パスタや他の野菜と共に炒めたりしても美味しいです。
3.アーティチョーク5つの効果
▼アーティチョークの料理のための下ごしらえ方法 – 南草津ダイエットカフェ
アーティチョークには様々な薬用効果がある為、昔から重宝されていました。 主な栄養素としては葉酸やビタミンC、マグネシウムやリンなどのミネラル、それからダイエットに効果的な水溶性食物繊維が多く含まれています。 また亜鉛も多く含まれているせいか、貴族の間では媚薬としても重宝されていました。 主な効果を紹介していきます。
① 肝臓に良い
肝臓の回復を助けて再生を促す効果があります。 また胆汁の生成を促し、胆石の発生のリスクを弱めてくれます。 また肝臓が原因で発生する頭痛にも効果あるのでお薦めです。
② ダイエットに良い
アーティチョークは利尿効果に優れていて、有害物質を浄化し代謝促進する効果もあります。 また水溶性食物繊維も含まれている為、便秘も解消してくれます。
③ 心臓に良い
アーティチョークには、血液中の悪玉コレステロールや中性脂肪を減らす効果があります。 また血糖値を下げる効果もあので、糖尿病の方には嬉しい話ですね。 また動脈硬化や、高血圧を予防することが出来ます。
④ 尿酸値を下げる
アーティチョークを定期的に摂取すると、尿酸値を下げる効果があるので、辛い痛風の症状を改善してくれます。
⑤ 消化を助け、胃もたれを防ぐ
以外にも食物繊維とミネラルが多いので食事の一番初めに食べることで腸をゆっくり動かしてくれるので腸活の効果を期待できます。
4.アーティチョークを育ててみよう!
アーティチョークは、5~6月に蕾をつけ7~9月にかけて紫色の花を咲かせます。 そして秋以降は葉が枯れ、休眠期へと入っていきます。 そこで病気に罹らない為にも、枯れた葉は根元から切り落としてしまいます。はじめに、植える時のポイントをご紹介。
① 日当たりの良い暖かい場所にしましょう
多少の寒さには強いですが地面が凍ったり雪が降ったりする環境には弱く、根が傷んですぐ枯れてしまいます。 水はけのよい粘土質の土が好きなので、土が乾いたら水をやるようにしましょう。
② 種から育てて花が咲くまでには2年程かかります
大きい植物なので庭の片隅を占拠しても構わない場所に植えましょう。 またトゲがある品種もあるので、あまり人が通らない場所を選びます。 植え替えを嫌いますので、1回植えたら移動させなくても良い場所に植えましょう。
5.まとめ
あまり食べたことのないアーティチョークですが、美味しい上に薬用効果が高いと聞けば、早速食べたくなってきてしまいます。 全体的に少し高価ですが、輸入物の缶詰や瓶詰の他、日本では三浦半島の方に行くと生のアーティチョークが手に入りやすくなっております。 そして、もし薬用効果を一番に考えるのであれば、アーティチョークのお茶が一番効果が高いのでお薦めです。 1度食べればそのギャップに嵌まってしまうアーティチョーク、機会があったら試しに食してみるのも一興ではないでしょうか。