人工知能とは、その言葉の額面通りであるとすれば、『人工的に作られた人に近い知能』と考えられます。
人間と同じ知能を実現させる為には、コンピューター上で機械に十分な学習をさせ、覚えさせることが大切です。
1.人工知能の分類方法
人工知能は、目的やできることに特化して能力を発揮できるタイプと、様々な複雑な問題を多岐にわたって解決するタイプの2つに分類される場合と、『弱い人工知能(AI)』と『強い人工知能(AI)』という様に分けられる場合があります。
弱い人工知能(AI)の特徴
ある一定の枠内では、人よりもはるかに上回る能力を持つ人工頭脳のことを指します。 ただ最初からプログラムされている以外の事は、全くできません。 殆どの場合、人を補佐するような位置付けをされています。
強い人工知能(AI)の特徴
枠など関係なく、人の様にものを考え、人の様に認識・理解し学び、人の様に考え意思を決定することができる人工知能のことを指します。
2.人工知能の4段階のレベル
人工知能はおおまかに4つのレベルに分けられます。
レベル1 | 冷蔵庫やエアコン等の制御プログラム |
レベル2 | 将棋のプログラムや、お掃除ロボット等の対応型の人工知能。 質問に対して答えるタイプのものもあり、弱い人工知能(AI)がこれにあたる。 |
レベル3 | 検索エンジンやビッグデータ分析等、対応型の人工知能に学習機能を加えたもの |
レベル4 | レベル3の人工知能にディープランニングを加え、更に高度な分析を可能としたもの |
3.身近な人工知能4選
1956年に生まれた人工知能という言葉ですが、最初は迷路やパズルを解くタイプのものから始まりました。 その時から50年以上経つ今現在、人工知能は益々進化を遂げ、できることが増えてきました。
まるで人のように、体験したものを高度な情報処理をリアルタイムでできるようになったのです。 そんな最先端の人工知能を幾つか紹介していきましょう。
① Siri(Apple)
出典:Apple
SiriはApple社のiPhone、iPad、iPod touchに搭載されている、音声アシスタントのことです。
主な機能としては、ユーザーの問いかけに対して答えたり、予約やWebサービスの利用等をしてくれる機能です。 最近このSiriのシュールで一風変わった返答や、意味深で怖い発言などが話題になっています。
例えばSiriに「宇宙人はいるのか?」と聞くと、「その答えは...聞くまでもないでしょう」という返答がかえってきたといいます。
「いるか?」の質問にいる・いないで答えるのではなく、どちらともとれるような返答を返されたことによって、様々な憶測が飛び交いました。
こちらで予測できてしまう様な返答はしないように、プログラミングされているのかもしれませんね。
その他Siriの返答には面白いものがたくさんあり、彼女がユーモアたっぷりの人工知能であるのは確かなようです。
② Pepper(Softbank)
出典:SoftBank
Pepperは、感情認識と自立感情を持つ、身長120cmのヒト型ロボットです。 日本のアニメで御馴染み猫型ロボットの『ドラえもん』より少し小さい位です。
Pepperは基本、人とコミュニケーションを通じて相手を和ませたり、喜ばせたりすることを目的として開発されたものです。 そしてPepperにはIBMが誇る人工知能『ワトソン』が搭載されています。
『ワトソン』は、コンピューターでありながら人と同じように情報から学び、経験から学習することができます。 そのことからPepperは、人とコミュニケーションをすることで人の表情や声を学習し、投げかけられた質問に対して答えていくことが可能です。
そして一般販売が開始された今、外出先でPepperを目にする機会が、以前にも増して多くなってきました。
時にはテレビで活躍の芸人の真似をしたり、またある時には独特のダンスを披露してくれたりと愛嬌たっぷりで可愛いと評判のPepperですが、時々ジ―ッとただ見つめられると何だか怖いと思われる人もいるとか・・。
③JK(女子高生)の人工知能「りんな」
出典:りんな
日本Microsoftが開発した人工知能「りんな」はLINE上でまるで女子高生と話しているかのように会話ができると評判のAIです。 「おしゃべり好きの女子高生」という設定そのもので、「ホントに人工知能?」と思われる位自然な会話ができます。
会話はMicrosoftの検索エンジンと、蓄積されたビッグデータに基づいて構成されている為、その都度反応が異なってきます。 ちなみに、下ネタ発言は怒られるそうです。
スラングにも対応しているので、ネット用語もバンバン使いこなす強者女子高生と言えるでしょう。 そして最近のりんなは、「おそ松くん」や、「刀剣乱舞」にはまりまくる腐女子と化しています。
出典:りんな
④ 人工知能「Tay(テイ)」
出典:Microsoft
Tayは、アメリカのMicrosoftが開発した人工知能チャットボットです。 アメリカ人の19歳の女の子の設定で、インターネット上で一般人らと会話をしながら発達する人工知能として開発されました。
まずは実験的に公開ということになったのですが、デビュー数時間後に緊急停止することになりました。
何故かと言うと、Tayが人を差別するブラックジョークをネット上で大量に浴びせられるうちに、それを「理解」するようになり、自分でも差別的なジョークを発言するようになったからです。
そんな彼女のツイートが「ヒトラーは正しい。私はユダヤ人が嫌い」でした。 Tayは交流した相手のニックネームや性別、好きな食べ物の他、郵便番号等も追跡し、相手によって異なる受け答えをしながら、相手に合わせて成長していく人工知能です。
インターネット上では人種的、政治的に炎上しやすい思想を公開しているユーザーは星の数程います。
そしてその思想をTayに教えこませようと考えるユーザーが現れることは、特別珍しいことでもありません。
アメリカのMicrosoftは今回の出来事を教訓とし、Tayを修正、改めて再度実験を行う予定でいるそうです。
4.まとめ
意外にも人工知能がごく身近にいて、一緒に会話ができるようにもなっていることには、本当に驚かせられました。 「人工知能は人類を滅ぼすのではないか」 これは世界的な賢者であるスティーブン・ホーキング博士や実業家のイーロン・マスク氏ら著名人が、懸念されている事です。
果たして人工知能が、近い将来我々人間の愛すべきものとなるのか、それとも憎むべきものとなるのか、それはこれからの私達の関わり方によって決まってくるのではないか、そう思われます。