神聖な白檀(サンダルウッド)で作られる扇子が持つ7つの魅力

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「扇子」といえば、どのようなイメージがありますか?優美な飾り扇は、お雛様の必須アイテムですし、相撲の呼び出し、落語の高座、能や歌舞伎などの伝統芸能にも使用され、日本文化には欠かせない存在です。

日常的にも、小さくたためる扇子を夏に持ち歩いている人をよく見かけます。

扇子は便利で素敵だけれども、ちょっと高貴な印象で、なかなか手が出せない…という人もいるのではないでしょうか。

扇子は種類によっては、さりげなくおしゃれなものもあります。

和紙と木でできたものを思い浮かべる人が多いかもしれませんが、ちょっと珍しく人目を引くのが木製の白檀(びゃくだん)扇子です。

香木の白檀で作った扇子は高級品ですが、昔から根強い人気があり、どこかで見たことがある人も多いと思います。

白檀扇子は、涼を楽しむだけでなく、ほのかな香りが漂うのが最大の魅力です。

知る人ぞ知る、白檀扇子。

一度その魅力を知ると取り憑かれたように魅了されてしまうその秘密とは何でしょうか?今回は、白檀扇子の魅力に迫ります。

1. 白檀とは

植物の香り、といえば花ですが、木にも香りがあることをご存知でしょうか。

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杉の香りは日本人なら誰でもよく知っています。杉のように著しく香りを放つ木を「香木」といいます。

香木で代表的なものが沈香(じんこう)と白檀です。いずれも香り線香や香水などによく使用されています。

沈香は土中の部分だけが香木となりますので、少量しか加工品を作ることができません。対して白檀は心材に香りの成分があり、お線香のほか、仏像や数珠、扇子などに広く使われています。焚かなくても、木材から清涼な香りが漂います。

白檀とは、インドやインドネシア、太平洋の島々に生育している香木で、英語名を「サンダルウッド」といいます。

香りは、高貴で清涼ですが、どこか妖艶です。

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産地によって香木としての品質に違いがあり、インド産が最も高品質です。

香りがよく似たサンダルウッド風の合成香料もありますが、天然の香木の香りの奥深さには敵いません。白檀のお香や加工品の価格に開きがあるのは、香木の産地の違いや、天然か合成かの違いによります。

2.神聖な白檀の香木

白檀の香りには、心地よい匂いだけではなく、身体や精神・空間を浄化する作用があります。

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身体の疾患では、気管支炎や咳・痰などの症状や、皮膚炎に効果があるといわれています。また、インドの経典には、膀胱炎や性病など下半身の疾患にも効果がある、という記述があります。

精神的には、緊張や不安を和らげる効果がありますので、就寝前に白檀のお香やアロマオイルを使用すると、心地よい眠りにつくことができます。

また、雑念を取り払い、集中力を高める効果があり、瞑想のときによく使用されます。

白檀は、焼香や線香、仏像や数珠などの仏具に多用され、仏教には欠かせない香木です。というのも、白檀の香りは、空間を浄化する神聖なものとされているからです。

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白檀の香りには、魔よけの作用もありますので、身に着けるとお守りにもなります。

2. 中国の工芸品「白檀扇子(びゃくだんせんす)」

白檀の香木や香りエキスを使った製品には、お香やアロマオイル、アクセサリーなど様々なものがあります。

白檀の加工品の中で最も有名なのが木製の「白檀扇子」です。

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木製の扇子というと、チャイナドレスを着た娘(クーニャン)が持っているイメージではないでしょうか。

それもそのはず、白檀扇子は中国の蘇州の工芸品となっていて、「檀香扇(たんしゃんせん)」と呼ばれ、おみやげ物として大変人気があります。

折り畳み式の扇子は、奈良時代に日本で発明され、中国に伝わり唐扇(とうせん)として発達しました。

白檀扇子は、清朝末期に蘇州の職人が作ったのが始まりで、100年の歴史があります。

すかし模様が一般的ですが、花や鳥、動物、風景など精緻な絵柄をあしらったものもあります。

日本の扇子はフォーマルなイメージですが、唐扇は、チャイナドレスの女性が持っていたり、拳法で鉄扇を使用したりと、どこかカジュアルでユニークです。白檀扇子は、フォーマルにもカジュアルにもよく似合います。

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4. 白檀扇子の等級

白檀扇子は、Amazonでも購入できますが、検索してみるとその価格帯の幅の広さに驚いてしまいます。

下は500円から上は70,000円まで。

なぜこんなに価格に差があるのでしょうか。白檀は、産地によって大きく価格が異なります。

最高級|老山白檀 インドマイソール地方産

白檀扇子のうち、最も高価なものがインドのマイソール地方で産出される「老山白檀(ろうざんびゃくだん)」です。

老山白檀は、インド政府によって保護されており、現在は入手困難なものになっています。

インド産以外の産地特級

他の産地のものでも、香り成分の良さによって、次のような等級があります。

  • ① インド
  • ② インドネシア
  • ③ インドネシア以外の東南アジア
  • ④ ハワイやオーストラリアなど太平洋の島々

インド以外の産地のものでも、本物の香木を使った扇子は、最低3万円はするようです。

それ以下のものは、別の木に白檀の香りエキスや合成香料を塗ったもの、と考えて良いでしょう。

本物と偽物、なかなか区別はつきませんが、香りがなくなったとき、表面をやすりなどで削ると、香りが蘇るのが本物の香木で作られている白檀扇子です。

5.白檀扇子を購入するには?

白檀扇子は、扇専門店で取り扱っています。

扇専門店は、扇子の香りを試して、触って開閉のなめらかさなどを確かめることができるのが大きなメリットです。

白檀扇子は品質も価格設定も様々で玉石混交ですが、日本の扇を多数扱っている老舗の扇専門店が比較的信頼できるようです。

しかし、近所に扇専門店がある人は少ないのではないでしょうか。

白檀扇子は、Amazonや楽天市場などのネット通販でも取り扱われています。通信販売では手に取って見ることはできませんが、色々な製品やショップ同士を比較検討できるのがメリットです。

製品情報、ショップ情報、カスタマーレビューなどをよく確認してから購入しましょう。

本物にこだわらず、雰囲気を楽しみたい人は、中国の輸入雑貨を扱ったお店で取り扱っている場合があります。もしかしたら、掘り出し物があるかもしれません。

6. 白檀扇子の取り扱い方

扇子を手にしてみると、意外と開き方がわからない人が多いかもしれません。

扇子を両手に持ち、右手の親指で骨を扇面に平衡に右にづらして開きます。閉じるときも、両手で持って、右手で1本つつ手繰り寄せて畳みます。

扇子を持ったら、粋な所作を心がけましょう。扇子をせわしなくぱたぱたと扇ぐのは下品とされています。ゆっくりとそよ風を送るようにしましょう。

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しまうときは、扇子袋に入れたり、布に包むと長持ちします。

7.まとめ

エキゾチックな個性を演出できる白檀扇子。

白檀の香りには、呼吸器や皮膚の炎症などに効果があるだけではなく、精神や空間を浄化する作用があります。

扇ぐと清涼な風と香りが漂い、厄除けにもなるスピリチュアルアイテムです。白檀扇子は、産地によって等級があり、偽物も出回っていますので、お店と製品をよく選んで購入しましょう。

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