皆さんは宇宙ゴミを知っていますか?
実は、地球の周りには浮遊したゴミが約4000トンもあり、かなり問題になっているのです。宇宙にゴミが浮遊していること自体知らない人もいますよね。
宇宙ゴミとは、人工的に作られた物質のことを指し、地球の引力によって、取り囲むように浮遊しているのです、年月はかかるとしてもたまり過ぎてよくないのは想像がつきますよね。
あまり知られてない宇宙ゴミについて現在わかっていることを詳しく紹介していきましょう。
1.代表的な宇宙ゴミと散乱している4つの理由
これまで人間が宇宙空間へと進出すると同時に捨てていった宇宙ゴミは、地球の衛星軌道上を周回し年々増加の一途を辿っています。
① 古い人工衛星|回収されずそのまま放置
今地球の軌道には、運用しているものや役目を終えたものも含めて6000個以上の人工衛星が周回しています。
人工衛星は使い捨てなので、耐用年数を過ぎて機能を停止したり、事故・故障により制御不能になったものは回収されることなくそのまま放置され続けます。
② ロケット本体やその部品・破片|回収できない
大気圏外へ打ち上げ、人工衛星などを軌道(きどう)にのせるには、大きな速度が必要になります。
そして多段式ロケットで打ち上げる時は、燃焼後に不要になったロケットの機体を順番に切り離していきます。 この方法では機体の重量を軽くして質量比を上げることで、ロケット本体の速度を効率よく増していくことが可能になります。
多段式ロケットは段を重ねることでより早い速度を得られますが、この場合切り離した物体は回収することはできません。
残念ながらロケットを打ち上げる度に宇宙に捨てられていっているのは事実なのです。
③軌道上でゴミが衝突したことで生じたもの|頻繁に起こる
宇宙ゴミは地球の軌道上を秒速8㎞と銃弾よりも早いスピードで周回しております。 宇宙ゴミ同士が衝突することも頻繁にあります。
④ 船外活動の時の落とし物|拾えない
宇宙飛行士が船外活動をする時、ちょっとしたミスで手袋や工具、部品等を宇宙空間に落としてしまう時があります。
勿論それを拾うことはできません。 それらは殆ど宇宙空間を半永久的に宇宙空間をさまようことになります。
2.宇宙ゴミの今後の課題
現在宇宙ゴミは約4000トン
旧ソ連がスプートニク1号を打ち上げてから現在に至るまで、世界各国で4,000回を超える宇宙船の打ち上げが行われてきました。
そして打ち上げがある度に大量の宇宙ゴミは発生し、今では4000トンを超える宇宙ゴミが残されていると考えられています。
宇宙ゴミの種類
様々な宇宙ゴミがあります。
- 宇宙空間で周回し続けるゴミ
- 大気圏で燃え尽きるゴミ
- 大気圏に突入するも燃え尽きずに落下するゴミ
特に問題なのは周回し続ける処理が難しいゴミ。
宇宙開発に伴ってその数は年々増え続け、対策が必要となってきているのが現状ですが、宇宙ゴミは制御されているものではありません。
宇宙ゴミを放置する理由は回収リスクの高さ
それぞれ異なる軌道を周回しているので回収することは難しく、おまけに活動中の人工衛星や有人宇宙船、国際宇宙ステーション(ISS)等に衝突するのではないかと懸念されています。
- それぞれ異なる軌道を周回しているので回収することは難しい
- 人工衛星や有人宇宙船、国際宇宙ステーション(ISS)等に衝突する可能性がある
- 宇宙ゴミは非常に高速で宇宙空間を移動しているため
宇宙での活動は命との隣り合わせ、ゴミによって事故につながってはリスクが高過ぎます。
もし仮に10㎝程の宇宙ゴミがISSや宇宙船に衝突したとしましょう。 例え数㎜の宇宙ゴミでも弾丸を撃ち込まれたかの様な破壊力があるので、最悪設備が破壊されたり乗員の生命に関わる事態になることは避けられません。
宇宙で仕事をする方にとって命を危険にさらしてしまうことになるので安易に回収活動もできないという問題が大きいようです。
3.現在で出来る宇宙ゴミへの対処方法
① 10cmを超える宇宙ゴミを登録・監視している
宇宙ゴミとの衝突を未然に防ぐ為に『スペースガード』と呼ばれる宇宙ゴミを観測する活動はアメリカやロシア、そして日本等で行われております。
スペースガードでは主に、10cmを超える宇宙ゴミの軌道を常時監視できるようにカタログ登録しております。その軌道情報を得ることで宇宙船や衛星の軌道を修正し、これらの宇宙ゴミとの衝突やニアミスを避けるのです。
現在カタログ登録された宇宙ゴミの数は8500個以上にも達しております。
またカタログ登録されていない微小の宇宙ゴミもあわせると数百万から数千万個に上ると言われております。
②1cm以下の宇宙ゴミは宇宙船ならば回避できる
1㎝以下の宇宙ゴミに関しては、バンパーを設置することで衝突した時の衝撃を抑えることができます。 ただし有人の宇宙船に限られてきます。
③1 cm以上10cm以下の宇宙ゴミは対処不可能
1㎝以上10㎝以下の宇宙ゴミに関しての対処法に関しては、ベストなものが中々見つけられないのが現状です。
また宇宙ゴミを減らす対策として、大気圏に突入させる何らかの手段で回収する等、様々な案が出されています。 地球上の環境問題におけるゴミ問題と同じ様に、なるべく宇宙ゴミを出さないようにするのがベストなので、各国で様々な研究がなされている状態にあります。
模索されているのは、レーザーで溶かす方法。レーザーで溶かす 宇宙空間でも切れない紐を使って宇宙ゴミを地球に落とす。などが今は考えられいます。
4.宇宙ゴミが落ちてきた!実話
実際毎日のように宇宙ゴミは地表に向けて落ちてきておりますが、大抵の宇宙ゴミは大気圏で燃え尽きてしまいます。 しかし中にはこのように、地表にまで到着するものもあります。
2015年11月スペイン|1週間に3個も落ちてきた実話を紹介します。
2015年11月スペインの南東部で、わずか1週間の間に空から謎の物体が3個も落ちてきました。
第一の落下物|黒い蜂の巣のような奇妙な球体
最初の落下物はムルシア州の町ムラで発見され、ちょうど黒い蜂の巣のような奇妙な球体をしていました。
第二の落下物|それより少し小さめでしたが似た様な物
同州カラスパラで見つかった第二の落下物も、それより少し小さめでしたが似た様な物体でした。
これら2つの落下物が落ちてきただろう時間帯に、6~7個の火の玉が空から落ちてくるのを見たとの目撃情報が多数寄せられたこともあり、治安警察も巻き込んでの騒ぎへと発展いたしました。
第三の落下物|衛星の破片
そして第3の物体は、ムルシア州に隣接するバレンシア州のエルダで見つかりました。
農家の男性がいつものように自分の畑に行くと、長い金属のような物体が落ちているのを発見、警察に通報しました。 詳しく調査したところ、これら3つの物体には放射能はなく人体には危険がないと断定することができました。
その後最初の2つの物体はロケットの補助燃料タンク、3番目の物体は衛星の破片の可能性が高いと発表されました。
どれも人的被害が無くて良かったのですが、火の玉を見た時はさぞかし驚かれたことでしょう。
5.世界で唯一宇宙ゴミ回収に挑む日本のベンチャー
宇宙ゴミ問題に取り組んでいる日本のベンチャーがあります。昨年、無人の宇宙船こうのとり6号機で実践を行いました。
2016年の12月に日本の無人の宇宙船「こうのとり」6号機が打ち上げられました。
実はこの「こうのとり」、国際宇宙ステーション「ISS」へ補給物資を運ぶ他に、今回は宇宙ゴミの改善に向けた実験をするというミッションを抱えていたのです。
しかしいざ実験を始めてみるとワイヤーを伸ばす装置に不具合が発生し、実験は失敗に終わってしまいました。
宇宙ゴミの徹去はこれからの人類にとって重要な課題の一つです。 この失敗が宇宙ゴミ徹去に向けた大きな成功への第一歩となることに違いない、そのことを信じてやみません。
6.まとめ
地球の周りがゴミが散乱しているなんてニュースでは報じられませんが有名な話です。地球の環境破壊に対して意識が低い社会では到底宇宙のことなど考えられないのはわかりますが、取り除けないゴミが浮遊していることを知るとなんだか釈然とはしませんよね。
できることは少ないですがまずは知ることが大切と思いこの記事を掲載します。