犠牲祭(現地語でイール・アル=アドハー)はイスラムの祝祭です。ネーミングは衝撃ですが、宗教色の強いイラムでは良い、祭りととらえられています。
犠牲祭を行う意味は、旧約聖書に出てくるアブラハムが神への忠誠心として息子であるイサクを生贄にささげようとしました。
その忠誠心を称えるため、ヒツジやヤギなどの動物を生贄として捧げ神に感謝の気持ちを伝えるためのお祭りです。今回は犠牲祭について解説していきます。
これから国際色が強まる日本、他国イスラムの習慣を知ることは役に立ちます。
1.《由来》犠牲祭の由来は旧約聖書
犠牲祭の由来は旧約聖書の内容からのもので、その一節を紹介します。
犠牲祭の由来となったエピソード
信仰に熱心な年老いたアブラハムとサラという夫婦がいました。
夫婦には子供を求めていたがなかなかできずこんな年になったのだがある時、待望の子供を授かるのです。夫婦は『神様のおかげ』として 名前はイサクとしました。
夫婦は子供と共に幸せに過ごしていましたがある日、神から試練を言い渡されます。
神『あなたの愛するひとり子イサクを連れてモリヤの地に行きなさい。そして私があなたに示す1つの山の上で全焼の生贄としてイサクを捧げなさい』
夫のアブラハムはその試練に悩み苦しむも息子イサクを山上へと連れて行くことにしました。 山上へ到着するとイサクを祭壇上で持っていた刃物でイサクの命を奪おうとしたとき声が聞こえました。
神『アブラハム。その子に手を下すな。何もしてはならない。あなたが神を恐れる者であることが分かった。あなたは自分のひとり子すら私に捧げることを惜しまなかった』
このアブラハムの神への忠誠心を称え犠牲祭が行われるようになったと言われています。
2.犠牲祭の手順①生贄となる家畜を準備
犠牲祭で生贄になる家畜には条件があります。
- 羊、ヤギ、牛、ラクダであること。それ以外の動物は生贄にはできません。
- 生贄となる家畜が定められた年齢に達している事。羊なら6カ月、ヤギなら2歳、ラクダなら5歳。
- 生贄となる家畜は健康であること。
これらの条件を満たしている事が犠牲祭における生贄の条件です。 生贄として捧げられた家畜はいかなる部分も売ることは許されず、その肉は3等分にします。
3分の1は家族で食べ、3分の1は親族に配り、3分の1は貧者に配ります。
3.犠牲祭の手順①過ごし方 前日
犠牲祭は神聖な儀式のため体を清める意味で前日は断食をします。断食は日の出から実行し日の入りまでの時間水も口にすることができません。
断食中にも注意があり、嗜好品の使用は基本的に禁止、喫煙やお酒はもちろん、娯楽的や快楽といったものも実行することはできません。
断食をすることで健康を害する恐れのある人など特別な事情がある人は行わなくてもいいとされていてそこまで厳しいルールではありません。
4.犠牲祭の手順①過ごし方 当日
犠牲祭当日は断食してはいけません。
犠牲祭で生贄になる家畜は家長である男性が捌く役割で、それ以外の人たちで家畜を押さえます。犠牲となった家畜を感謝の念を持ち食し、貧者やお祭りの手伝いをした人には施しとして配られます。
犠牲祭をおこなうことで、アブラハムの神に対する信仰心を称えるためでもあり、生贄のヤギ・羊・牛を神に捧げているという忠誠心を表すものです。
5.まとめ
人によって思想や信じる宗教はさまざま、航空チケットが低価格になり、かなり安い金額で海外へ行くこともできるし、インターネットで他国の方とコミュニケーションをとることはだいぶ身近になってなっています。国が違えばまだまだ知らない風習はありますし、日本の文化も海外から見れば珍しいものもありますよね。