赤ちゃんの命名、すなわち人の名前というのは時代を大いに反映しています。名前に使われる文字や呼び名の傾向で世代がおおよそ分かるのも興味深い現象です。
近頃では「キラキラネーム」や「ハワイアンネーム」といった類の命名が流行しているとか。いずれにしてもこの世に生を受けた赤ちゃんへと授けられるメッセージが「命名」です。
赤ちゃん自身が選ぶことの出来ない、生涯的マークだからこそ、赤ちゃんの命名についていろいろ触れてみてくださいね。
1.赤ちゃん命名する時の5つの方法
生まれたばかりの赤ちゃんに命名する場合のの手段を紹介していきましょう。
①昔ながらの習わし|お七夜・名付け祝い・命名式・命名の儀
日本の習わしとして命名の習慣はきちんとありました。昔の習わしから知っていくことでその奥深さと現代の習慣への理解を深めていきましょう。
お七夜は「名付け祝い」や「命名式」、「命名の儀」とも呼ばれ、祝い膳を囲んだ席で赤ちゃんの名前をお披露目します。
日本における「お家制度」がまだ根付いていた頃、赤ちゃんが生まれると父方の実家において生後七日目の節目に、「内孫誕生の祝いと披露」を目的に「お七夜」という儀式が行われていました。ですが制度の消滅や家と家の付き合いの縛り、慣例へのこだわりといったものが薄まってきている昨今です。現代では、赤ちゃんの両親であることが主流になっています。
②家系や家族の名前の文字を使う
赤ちゃんの命名に親や祖父から漢字を一字取ったり、兄弟や姉妹で漢字を一字共有させることは多いのですが、近親者で同じ漢字は使わない方が良いと説く専門家もいて、名前の持つ「パワー」を奪い合ってしまうそうなのです。
③命名の専門家に依頼する
命名の専門家なる職業をしている人がいます。主には姓名判断を得意としていて、『凶数だけはさけたい』として依頼をされる人が多いです。命名のプロが自分の知っている人脈内に知り合いがいれば評判を聞きるけ情報収集するのがいいでしょう。
結論よかったかどうかを知ることは個人情報もあり不可能な部分がでてくるので、自分が信頼できる人を自ら探して依頼する方が良いと思います。
④神社の神主さんに命名してもらう
神社では赤ちゃんの命名をしてくれる場合があります、神社によって宗派があるようにやり方も様々です。1文字だけを授ける仕組みを取っているなどがあるようですね。
命名で有名な神社は京都にある『武信稲荷神社』で、姓名判断をとくいとしていて命名占いを行ってくれます。電話・インターネットからのメールフォームでお問い合わせができます。
⑤文字の雰囲気で決める
漢字が元々は「絵」や「図」であったこと由来しているのでしょう。「名は体を表す」と言いますが、「名で体をどう表すか」というようなテーマで赤ちゃんの命名について考えるのも良いのかもしれませんね。
「ハネ」の多い名前だと全体として線が細い、尖った印象になり、あまり好ましくないとか。出来るだけ丸みや重量感のある名前の印象が人気があるようです。
では命名書とはどのようなものなのか、書式はあるのか、お披露目後にはどうするのかなどもご紹介してまいります。
2.命名式での命名書とは?
命名書とは、赤ちゃんに付けられた名前を書き、命名式で列席者に示す書のことです。正式な書式でないと絶対にダメということはないのですが、せっかくなのでひと通りお伝えします。
- 「奉書紙」という紙か「半紙」を横半分に折り、縦を三等分にする
- その三つ折の真ん中部分に赤ちゃん名前を書く
- 左側には名付け親と命名日(命名式の日)を明記して押印する
- 三つ折をたたんで別の半紙などに包み、上から「命名」と書く
簡略的なものでしたら半紙の一面に命名○○(赤ちゃんの名前)と命名日を書くだけのものもあります。
命名書は誰が書くのか?
「誰が書くのか」ですが、古来よりの慣習では 「父方の父親」つまり「赤ちゃんのおじいちゃん」です。ただ事情によってはこの限りではありませんのであくまでも参考に、ということにはなります。
命名書を置くべき場所
お披露目が終わった後、略式の命名書は赤ちゃんの枕元の壁に貼ったり(なるべく高い位置)、正式な命名書はご自宅に神棚があれば、三方に載せて神棚に奉納して飾っても良いでしょうし、赤ちゃんが大きくなるまで大切に取っておいてあげると良いですよ。
3.赤ちゃん命名におすすめの11つの吉文字
漢字には「神々に通ずる文字」とされ、「吉文字」と呼ばれるものがあります。
例えば「由」という漢字は神様にお酒を奉納するときにつかわれる「とっくり」を表すとされています。それだけで何だかありがたい感じがしますよね。ちなみにこの漢字を名前に持つ人は「お酒に強い」とか「お酒が好き」という場合が多いとか。
他にもいくつかの吉文字を挙げておきます。(順位不動)
- 「麻」
- 「佑」
- 「祐」
- 「紀」
- 「紘」
- 「未」
- 「知」
- 「貴」
- 「智」
- 「哉」
- 「海」
ただ、吉文字はただ付ければ良いものではなく、画数とのバランスもありますのでそのお話もしておきますね。
4.赤ちゃん命名に知っておくと良い画数
画数は漢字によっては一般的な認識と異なる場合があります。それは本来の漢字の画数とそれを略した日本独自の「国字」の画数との違いです。
例えば「恵」という字は日本の国語では10画として習いますが、本来の漢字、正字では「惠」となり画数は12画です。なので「水」が4画ですから、「さんずいへん」は3画ではなくすべて4画になるのです。
数字の画数についても、「一」は1画、「二」は2画、「三」が3画、これはそのままですが、「四」は4画、「五」は5画、「六」も「七」も「八」も「九」も漢数字の数そのままが画数で「十」はゼロで0画になります。
なので赤ちゃんの命名をするとき、こういったカウント方式で苗字と合わせた「総画」なども見ていく姓名判断もあるのです。
その中で総画にも「傾向」や「特性」がありますから、最終的に名前に使われる漢字とのバランスも見ながら赤ちゃんに命名するというのが理想だと言えます。
5.フィギアスケート羽生結弦選手の命名の由来
いまや日本のスポーツ界の神聖な存在であるフィギュアスケートの「羽生結弦」選手の命名の由来を紹介しましょう。
その名を命名したお父様で、『弓の弦を結うように凛とした生き方をして欲しい』と願ったそうです。羽生結弦選手の名前は多くのファンから『美し名前すぎる!』といわれており、世界新記録を出すほどの才能をふくめ『選ばれた人・神の子』なんてキャチフレーズを見ます。
素晴らしい才能と本人の想像もできないような努力が実を結び嬉しいですよね。世界中の多くの人が応援したい選手ではないでしょうか。
6.まとめ
「姓名学」などに基づく基礎的なお話をさせて頂きましたが、それはあくまでも「統計学」に過ぎません。ですがそこから分かる「傾向」や「特性」というものと、漢字の持つ本来の意味との間にはおろそかに出来ない繋がりというのももあるのです。そして赤ちゃんの命名で一番大切なのは赤ちゃんの健やかな成長と成長に伴って人生を実りあるものにして欲しいと願う気持ちですよね。