日本で人気の高い七福神とは?七人のご利益と特徴まとめ

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人気の高い神様の中で、外せないのが七福神。

七福神は日本人になじみ深く、大変縁起の良い神様です。今年の初詣は、「七福神神社巡り」をしてみてはいかがでしょうか。

そんな七福神と呼ばれる神様は七人いるわけですが、実はこの七人いろいろな国の神様が集結しているのです。

今回は、意外に知らない七福神について解説ていきます。理解することでさらにご利益がアップするかもしれません。

はじめに.七福信仰とは

七福神は、平安時代から日本人に根づいている民間信仰の神様です。

神道と、ヒンズー教や仏教・道教など外来の神様が習合して庶民になじみのある七柱の神様になりました。

七福神の神様全員の名前と特徴をご存知ですか?それぞれの神様に個性がありますので、その神様の性格やご利益をご紹介します。

1.恵比寿天(えびすてん)

日本古来の神様|恵比寿天(えびすてん)

七福神の中で最も人気があるのが恵比寿天です。七柱の神様のうち純粋な日本の神様は、この恵比寿天だけと言われています。

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エビスビールでおなじみのこの方は七福神のひとり。恵比寿天様

恵比寿天の特徴

  • 中世の男性の着物である狩衣(かりぎぬ)を着ている
  • 前に折れた「風折(かざおり)烏帽子」をかぶっている
  • 右手に釣り竿
  • 左手に鯛
  • ふくよかな笑顔(えびす顔)
  • 耳がとおく、聞こえが良くないのでお参りの時はドラを叩いて祈願しないと気づかない

恵比寿天諸説①日本神話の海に流されたヒルコが恵比寿天になった

恵比寿天の誕生には諸説ありますが、日本書記の日本創世の神様いざなぎ・いざなみの子である蛭子(ひるこ)が神となったという説が有名です。

蛭子は三歳になっても立つことができなかったため、不具の子だったため舟に乗せて流してしまいます。その後、蛭子は神話には登場しませんが、これが恵比寿天だと考えられています。

恵比寿天を祀った神社ではこの説を唱えるところが圧倒的に多いです。

恵比寿天諸説②漁業神としてクジラが姿を変えた

恵比寿天はもともと漁業の神様で、大漁を祈願する大漁追福(たいりょうついふく)のご利益がありました。

時代が下るにつれて、恵比寿信仰は農民や商人にも広まり、五穀豊穣・商売繁盛の神様と変化しています。

恵比寿天諸説③海神

えびすの本来の神格は人々の前にときたま現れる外来物に対する信仰であり、海の向こうからやってくる海神である。漁業神、寄り神(漂着神)の他に純然たる水の神としての信仰も存在する。

恵比寿天諸説④寄り神(漂着神)

日本の漁村には、海の彼方から流れ着いた漂流物(流木や鯨・海藻など)を神として祀る信仰がありました。

この漂流神信仰と日本神話の蛭子が結びつき、恵比寿天になったと言われています。

恵比寿天諸説⑤福神(市神)

平安時代末期に、えびすを市場の神として祀った記録が残っています。さらに鎌倉時代にも鶴岡八幡宮で市神としてもえびすを祀ったことで、商売繁盛の神として確率。

同時に福神としても信仰され、七福神の1柱にメンバー入り。

恵比寿天の呼び名

  • 夷(えびす)
  • 戎(えびす)
  • 胡(えびす)
  • 蛭子(ひるこ)
  • 蝦夷(えみし)
  • 恵比須(えびす)
  • 恵比寿(えびす)
  • 恵美須(えびす)
  • えびっさん
  • えべっさん
  • おべっさん

代表的な神社|大阪・今宮戎神社(いまみやえびすじんじゃ)

恵比寿天を祀っている有名な神社は大阪にある今宮戎神社。毎年1月10日に行われる『えべっさん』は商売繁盛を祈願するお祭りで大変な人で溢れかえります。

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出典:la-cerise

100万人もの人が訪れるとのことで、恵比寿天の人気が伺えますよね。

今宮戎神社では福娘と称して関西の女子大生が参加するコンテストも定期的に開催されています。

2.大黒天(だいこくてん)

インドの神様シヴァ神が変化した大黒天

仏教の自在天(じざいてん)と、日本神話の大国主命(おおくにぬしのみこと)が習合したのが大黒天です。

自在天(じざいてん)とは

自在天は、もともとはインドのヒンズー教の破壊と戦闘の神シバと言われているのでルーツを辿るとインドの神様なのです。

大国主命(おおくにぬしのみこと)とは

大国主命はあの因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)を助けた心優しい神様です。

かなり簡単に因幡の白兎を説明すると、ワニに皮を剥がれされたウサギを助けた唯一の神で、他の神も通りすがったが誰もウサギを助けなかった。という日本神話です。

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ご利益しかなさそうなほどの福感は七福神随一

破壊の神シヴァと、大国主命は性格的になかなか結びつかないかもしれませんね。

シヴァ神は、別名をマハーカーラ(大いなる暗黒=大黒)と言いました。大黒と大国が音で結びつき、いつしか同一視され習合したのが大黒天です。

シバこちらが破壊神シヴァ。大黒天には全く似てないですよね。出典:rishikeshtravelagents

恵比寿天に負けないくらいにこにこした笑みを浮かべた大黒天は、どちらかというと大国主命のイメージに近いかもしれません。

大黒天の特徴

  • 右手に打ち出の小槌
  • 左肩に福袋を背負っていてこの中には七宝が入っている
  • いつも米俵の上に座っている

左肩の袋の七宝に入っているもの

金、銀、瑠璃(るり)、玻璃(はり)、硨磲(しゃこ)、珊瑚(さんご)、瑪瑙(めのう)の7種

という説や、愛嬌・人望・威光…などの目に見えないものが入っているという2つの説があります。

大黒天と恵比寿天は二人で一組

大黒天は恵比寿天と対になり、共に五穀豊穣・商売繁盛の神様とされることが多いです。

大黒天が農業の神・恵比寿天が漁業の神であることから二人一組で商売の神として信仰されることが多いのです。

民間信仰ではあるが、大黒天の能力の一つには子宝があります。米俵に乗っている姿が男性器を表していると言われています。

3.毘沙門天(びしゃもんてん)

インド・中国の財宝神が変化した神毘沙門天

古代インドでは、財宝神とされ、東西南北四方位を護る神々の北方の財宝を守る神で、戦闘的イメージはほとんどなかったと言われています。シヴァ神とも仲がいい神です。

中国に伝わった時に武神としての信仰が栄えそのまま日本に伝わったとされる。武神として毘沙門天は、楠木正成や上杉謙信などの武士に厚く信仰されたのです。

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見るからに強そうな毘沙門天ですが、元は財宝を守る北方の神。

毘沙門天の特徴

  • 金鎖甲(きんさこう)という鎖を編んで作った鎧を着ている
  • 腕には海老籠手(えびごて)と呼ぶ防具
  • 頭に筒状の宝冠を被る
  • 右手に長い矛
  • 左手に小さな宝塔(仏塔)
  • 毘沙門天像の足元をよく見ると、化け物が踏みつけられていいて、人間の煩悩の象徴、天邪鬼(あまのじゃく)

見るからに異国風の像であるのが異国の神であることがわかります。

恵比寿天・大黒天と並ぶ人気の神で江戸時代以降は勝負事にご利益があると崇められました。毘沙門天は、戦勝祈願や財運と幸福を呼ぶ財宝福徳のご利益をもたらします。

毘沙門天に捧げられた真言

オン・ベイシラ・マンダヤ・ソワカ

4.弁財天(べんざいてん)

ヒンドュー教の女神サラスヴァティーが由来の弁財天

弁財天もまた、古代インドの女神にルーツがあります。

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インドの水の女神サラスヴァティーが弁財天の由来、河に住む女神で水と音楽を司り、琵琶を持つ美しい天女の姿でその姿は瓜二つ。

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こちらがインドのサラスヴァティー。身なりが違うぐらいであとはほとんど同じ。出典:geocities

サラスヴァティーは言葉の神バーチュと習合し、言葉や知識・弁舌を司るようになります。

これが「弁才」天の由来です。日本に伝わってから、弁才天の「才」が「財」に通じることとなり、財運のご利益ももたらすようになり七福神の人柱になりました。

弁財天の特徴

弁財天は、学業成就・諸芸上達・財運招福などのご利益があります。

弁財天で有名な神社は、奈良県の天河(てんかわ)大弁財天社や鎌倉市の銭洗弁天などがあります。いずれも水とゆかりが深く、もともとの川の女神の性格が残っています。

5.福禄寿(ふくろくじゅ)

中国の神様福禄寿

大黒天・毘沙門天・弁財天は、由来がインドの神様でしたが、福禄寿・寿老人・布袋尊は中国の神様です。

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「福禄寿」の名前は、道教の教義の「三徳(さんとく)」から来ています。三徳とは、すなわち 福=子孫繁栄、禄=財運招福、寿=健康長寿 を意味しています。

福禄寿の特徴

  • 異様に縦に伸びた長い頭
  • 白い髭
  • 杖を持っている
  • 背の低い老人
  • 鶴や亀を従えていることもある

財運招福・無病息災・健康長寿のご利益があると言われています。

6.寿老人(じゅろうじん)

中国の伝説上の人物寿老人

寿老人は福禄寿と同様、中国由来の神様です。

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福禄寿と寿老人をつい混同してしまう人も多いのではないでしょうか。実際、両者は同一の神で、数字の「七」の縁起が良いので数合わせに入れているのではないか、という説もあります。

寿老人の特徴

  • 背が低く
  • 長い白髭
  • 頭巾をかぶっている
  • 酒を好む
  • 長寿と自然の調和のシンボルである牡鹿を従えている
  • 不老長寿の桃を持っている

福禄寿は頭の長い異形の姿をしていますが、寿老人は道士のような姿をしています。福禄寿は鶴や亀を従えていますが、寿老人は鹿、ときにはコウモリを伴った姿で描かれます。持っている杖には、よく見ると巻物がついています。この巻物には人間の寿命が記されています。

寿老人には、健康長寿・無病息災・家庭円満のご利益があります。

7.布袋尊(ほていそん)

実在した人物布袋尊

布袋尊は、もともとは中国唐の時代の契此(かいし)という名の禅僧でした。

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出典:こがナビ

もらったお布施を大きな袋にしまって歩いていた、という言い伝えがあり、そこでついた名が「布袋(ほてい)」です。仏教での献金を「お布施」と呼ぶのも、布袋尊から来ています。

もし現代にいたら、とても怪しい人物ですよね。

布袋には千里眼があり、百発百中の占いをして人々を幸福に導いた、とされています。高貴な人よりも、むしろ半裸の僧に仏を見出す人々の生き生きとした感性が、布袋尊を生み出したのではないでしょうか。

仙人の化身ではないかと言われています。

布袋尊の特徴

  • 坊主頭
  • うちわと大きな袋を持っている
  • 太鼓腹
  • 出身地不明で泊まり歩いていた

背負っている袋は堪忍袋だと言われています。

心の真実の大切さや、穏やかな心境を求めるなどを布袋尊は説いています。無病息災・健康長寿・子宝祈願・夫婦円満などのご利益があります。

まとめ

七福神は、時代を越えて人々に愛されてきました。由来を知って、七柱の神様がぐっと身近に感じられたのではないでしょうか。お気に入りの神様はいらっしゃいましたか?

七福神は、日本では庶民に最も近い神様で、街のいたるところで見つけることができます。神社の脇の小さな社、古い商店の店先など、様々な場所にもいるのでぜひ見つけた時にこの話を思い出してみてください。

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