世界には、未だ発見されていない財宝の話が山ほどある。たとえば、沈没船と共に沈んだ財宝や隠された埋蔵金など、、、。
15世紀から17世紀のスペインでは探検家(コンキスタドール)という職業まであったほど、人々は財宝の噂を聞いては航海し新しい土地へ踏み出して行ったのです。しかし彼らは新しい土地で迫害や殺戮を繰り返したことからコンキスタドールという言葉は『征服者』という意味も含みます。これは作り話ではなく実際に起きた歴史上の話。
未だ発見されていない財宝の中には、数百億ものの代物との噂も。 今回は、いまだ語り継がれる財宝伝説をご紹介。
1.大航海のロマン!沈没したインディアス船隊(スペイン財宝船団)
スペイン財宝船団と呼ばれるのは、1566年から1790年頃までスペイン帝国が植民地と本土を結ぶ輸送手段として利用されていた『インディアス船隊』の事です。
インディアス船隊とは
植民地から農産物や材木、日用品、金属、香辛料、他珍しい品々などを運んでいました。 200年にもわたってインディアス船隊はスペイン本土に沢山の品々や貴金属を持ち帰り、ヨーロッパで一番豊かな国に発展しました。
金銀財宝を乗せたまま海底に沈没
ところが、ある時インディアス船隊は海底に沈んでしまいます。沢山の金銀財宝を乗せたまま、海の藻屑と消えてしまったのです。インディアス船隊が沈んだ場所は、いわゆる魔の三角地帯と言われる『バミューダトライアングル』です。
フロリダ半島・プエルトリコ・バミューダ諸島を結ぶこの三角地帯は気象の変動が激しく、ハリケーンなどが発生しやすい場所であり船乗りには危険が隣り合わせになったような場所でした。 インディアス船隊は、沈んだ時約200億もの財宝を積んでいたと言われていたのですから当時は大変でした。
2015年金貨の一部が発見され噂は事実に
本当に財宝が積んであったのか、議論されたこともありましたが、実際に2015年6月にインディアス船隊が積んでいたとされる『ロイヤルコイン』が見つかったのです。
ロイヤルコインというのは、特別にスペイン王のために作られたコインで、世界にたった50枚しか存在しません。
一枚のロイヤルコインの価値は1億とも言われ、船には50枚のうちの20枚が積まれていたと言われています。
その他にもたくさんの財宝が当時の国王フェリペ5世の結婚の祝いとして積み込まれていて、総額は今の価値で200億と言われています。
実際にそのロイヤルコインは、アメリカのフロリダ州、フォートピアースの海岸から沖に305メートル水深4.5メートルの海底で見つかったそうです。バミューダトライアングルのすぐ近くですね。ロイヤルコインが見つかった事で、いよいよ200億の財宝が本当にあるのだ、という事が現実味を帯びてきました。
2.考古学者が興味津々のトロイ遺跡
トロイ遺跡はトルコの西の端のダーダネルス海峡を望むチャナッカレにあり、実際に発見されるまでは『おとぎ話の産物』とされていました。
出典:トルコ
トロイ遺跡は発見されるまで、本当に存在するかどうか分からない、とされていましたが、ドイツの考古学者シュリーマンという人物が遺跡を発見したことで、実際にトロイという都市が存在していたという事が証明されたのです。
ドイツの考古学者シュリーマンとは
シュリーマンはトロイ遺跡を財宝目的で発掘し、当時の発掘の指導は大変、乱暴なやり方で掘り尽した場所は無残な状態でした。 シュリーマンが発見した財宝は3000個以上にもなり、大英博物館やロシアに一部が保管されています。
残りのほとんどが第二次世界大戦で行方が分からなくなっていて今もどこかに、残っている可能性があるんです。
トロイの遺跡はあの『トロイの木馬』の舞台です。紀元前1200年頃、トロイの城壁は10年攻撃してもビクともしないと言われた絶望的な壁でしたが、贈り物の木馬を招き入れたことで攻め滅ぼされましたね。こんなに有名な話ですが、遺跡がどこにあるか何年もの間発見されなかったのもすごいですよね。
3.謎に満ちた民族トラキア人の財宝
トラキア人は紀元前5世紀から3世紀に現在のブルガリアの辺りで栄えた文字を持たない謎に満ちた人々です。 馬を愛し、戦いを好むトラキア人の事は、偶然工事現場の人によって発見されるまで、謎の民族でした。
出典:cannergy
トラキア人は子供が生まれると、これからの不幸を思い、涙を流し、人が亡くなると、永遠の幸せを得たという喜びを分かち合う現代とは違った思考を持った民族でした。
トラキア王の墓には特徴があり、石造りの重厚な造りで人の手で作られた小さい丘のような所に玄室が作られ、その中に安置されていました。 周りの壁には、10人の女性が天空を支えるような姿で棺を取り囲んでいて、永遠の命を得た王を見守っています。独特の考えを持つトラキア人の事は謎が多く、まだまだ今後の発掘調査に期待されます。
トラキアの遺跡からは、エジプトやメソポタミアより古い黄金が発見されたのです。 黄金の製品は素晴らしい物が数多く発見されました。しかし、トラキアの遺跡を発掘するための予算は限られているため、現在はボランティアに頼らざるを得ない状態、さまざまな国から学生のボランティアが沢山発掘作業をするためにブルガリアに入っているのが現状です。
未だ発掘されていない場所も沢山あるトラキア人の産物、今後も黄金の財宝が出てくる可能性は残されています。
4.まとめ
世界には、まだまだ知られていない財宝が数多く残されています。発見する事は大変かもしれませんが、発見できる可能性は残されているわけです。
財宝を巡って国同士が争いになる事もあるようですが、どの財宝も貴重な歴史の遺産として大切に扱いたいものです。歴史の中に消えてしまった都市や、民族の繁栄を象徴するような美しい財宝の数々は、どれも他に代わりのない貴重な物ばかりなのです。