ニュンペーとは、ギリシャ神話に出てくる女性型の下級女神(精霊)のこと。 ギリシャ神話には沢山の神様や精霊達が登場するのですが、ニュンペーは特別、アクティブで官能的で美しい姿で描かれていることが多いです。
ニュンペー達は完全な不老不死ではなく美しい姿とは裏腹に、森を彷徨う人に憑りついて正気を失わせる悪戯を楽しみます。ニュンペーとひとくくりに呼ばれることが多いのですが、住んでいる場所によって種類分けされます。今回はニュンペーの種類と役割についてわかりやすく解説していきます。
1.ニュンペーとは
ニュンペーとは聞き慣れない言葉ですが、ギリシャ神話に度々出てくる下級女神(妖精)のことです。数多く種類分けされるニュンペーについて解説していきます。はじめにニュンペーのプロフィールをまとめました。
ニュンペープロフィール
- 呼び名:ニュンペー(複数形ニュンパイ)
- 種族:下級女神(精霊)
- 役割:山・川・森・谷・樹木に宿りこれらを守っている
- 普段の暮らし:歌と踊りを好む若くて美しい女性の姿 。気まぐれに予言をしたり病を治したりと恩恵を与えることもしばしば。
- 好きなもの:供物
ニュンペーの裏の顔
ニュンペーには悪式面もあり、森の中を行く旅人を魔力で惑わせたり正気を失わせたりする恐ろしい一面も持ちます。たまに人間の若者に恋をしてしばしばさらって行ってしまう。ニュンペーの恋愛歴は数多く神話に伝承されているが悲しい結末であることがほとんどです。
ニュンペーの種類は主に7種族、生息場所や特徴について次項で解説していきます。
2.7つに分けられるニュンペーの種別
①海精のニュンペー|ネーレーイス
海の女神としてギリシャ神話に登場するニュンペーでネーレーイスと呼ばれます。彼女たちの数は大体50人〜100人で、エーゲ海底にある銀の洞窟に父親と暮らしています。
イルカやヒッポカンポスの海獣の背に乗って海を移動します。イルカは現代にもいるのでわかると思いますが、ヒッポカンポスとは半馬半魚の海馬のことでギリシア神話に度々登場します。
このような神話を切り取ると、某有名な童話リトルマーメイドのような存在と重なりますね。ネーレーイスの父はネーレウス母はポセイドーンです。
②水精のニュンペー|ナーイアス
ナーイアスは泉や川にいる精霊で、海精のネーレーイスとは全く違うニュンペーの特徴を持ちます。
ナイアスのいる川の水は癒しの効果があるとされ、その川の水を飲むと病気が治ると言われています。 ただ、水の中は最も神聖なものであるべきと強い考えを持っているので、川に入る事はナーイアスへの冒涜とし、川に入った者は病気になったり気が狂ってしまったりしてしまいます。
③木精のニュンペー|ドリュアス
ドリュアス達は木を傷つける人を懲らしめたり、気に入った人間の男性がいると、姿をあらわし、木の中に引きずり込むと言われています。
英語でドライアド、フランス語でドリアードと呼ばれるので日本ではこちらの呼び名なら知っている。という人も少なくないのでは?木に宿る精霊なので、長命ではあるものの、木が枯れてしまうとドリュアスも死んでしまいます。海精・水精と違いほとんど人間の前に姿を表すことはありません。美しい緑色の長い髪がトレードマークです。
④山精のニュンペー|オレイアス
オレイアスという名前の女神が山と岩屋のニュンペーとして知られています。狩猟の女神として知られているアルテミスと共に行動した女神として描かれ、 アルテミスと共に野山を駆け巡るオレイアスの姿は、颯爽として美しいものです。
⑤森精のニュンペー|アルセイス
ギリシア神話に登場する森のニュンペー。詳細は不明
⑥谷精のニュンペー|ナパイアー
ギリシア神話に登場する谷のニュンペー。詳細は不明
⑦冥精のニュンペー|ランパデス
冥界のニュンペーとして知られているのは、ランパスという名前のニュンペーで、冥界の女神ヘカテーと共に松明(たいまつ)をともす役目を持ちます。
自分も松明を持って地獄の猛犬を引き連れて現れる女神で、夜の十字路や三叉路に現れます。 神話ではよく十字路は精霊が訪れる場所と言われていて、昔は犯罪者や自殺した人を十字路に埋葬し精霊に委ねたのです。
3.まとめ
ギリシア神話とは古代の伝承文化の一つで語り継がれる物語である。多く神々が登場し人間のように愛憎劇を繰り広げる物語で、ニョンペーはその中でも欠かせない存在です。美しい女性の姿をしているのでとても魅力的な存在ですよね。