現在では普通に使われている数字のゼロ(0)ですが、このゼロという概念が広く受け入れられるようになったのはほんの数百年前と歴史が浅いのです。
1・2・3・4・5といった数字は共通ですが、日本は一二三四五と書くようにその国によって数字を表す文字も違います。
共通している123の数字はアラビア数字が原型とされていたりと歴史は古い。
今回は数字誕生から0の概念について解説していきます。
1.ゼロの発見
ゼロがインドで発見される以前、ゼロとは何もない状態であるから数える必要はないとしてゼロという概念は存在していませんでした。
- ゼロ=何もないもの
ところが6世紀頃1300年~1400年程前、インドの数学の書物にゼロ(0)が表記されていました。8世紀頃、インドからアラビアにゼロは伝わり、アラビア語ではゼロをSifr(空)と翻訳。
Sifr(空)が13世紀頃イタリアでZephirumとなり、最終的にZeroとなりました。
- 0→アラビア語Sifr(空)→イタリアZephirum→Zero
インドの数学者ブラーマグプタの書物には『いかなる数にゼロを乗じても結果は常にゼロであること』『いかなる数にゼロを加減してもその値に変化が起こらないこと』と書かれています。
0に他の数字を掛けてもその答えは0である。
今では常識ですが当時は革命的な発見として世の中は新歓しました。
α+0=α
α-0=α
0×α=0
ゼロは無なのではなく、ゼロという状態があるという事です。 つまり、ゼロというのはプラスマイナスし、見かけ上はゼロの状態であり、そこにないように見えてもその存在はそこにあるという事です。
2.数字にある秘密
現在私たちは何気なく数字を使っています。1.2.3.4・・・ この数字はある規則性によって作られています。 この規則とは一体なんでしょうか?
現在私たちが使用している数字の原型となったものがあります。 それがアラビア数字です。 このアラビア数字の起源はインドであり、このアラビア数字の形が今の数字の形に大きく関係しています。
アラビア数字は角ばった形をしていますが、これはある規則に従っています。 数字の角度で数字を表現しているのです。
数字の2はアラビア数字ではアルファベットのZのような形をしていますが、角度は2つです。 数字の3はアラビア数字ではアルファベットのMを横に向けたような形をしていますが、角度は3つです。
このようにアラビア数字ではその角度の数が数字となっていました。
現在使われている数字はこのアラビア数字がもとになっているため、その形もよく似ています。 そして忘れてはいけないのが0です。 このゼロは『何もない』ですから、アラビア数字でも『角がない』かたちをしています。 ゼロだけは現在の数字と同じ形をしています。
3.ローマ数字にはゼロがない理由
ローマ数字にはゼロがありません。ローマ数字はもともと文字の組み合わせで出来ており、ローマ数字だけであらわすととても表記が長くなってしまいます。そのため数字として扱うのに限界がありました。
ヨーロッパ諸国の人達はもともとこのローマ数字を使用していましたが、便利なアラビア数字を使うようになり広まっていきました。
4.まとめ
ゼロの概念をわかりやすく説明すると、何もないと思えるところには何もないのではなく、無(ゼロ)というものが存在しているという事です。
仏教の色即是空も無がそこに存在している事を言っているという解釈がされているようです。
元来私たちはゼロの概念を理解していたのかもしれません。ゼロの発見により、たくさんの数字を表記したり、数字を扱うものの理解が解りやすくなりました。
数学を好む人たちの間ではこのゼロの概念はとても素晴らしく奥深いものだと言われています。