六芒星(ろくぼうせい)または(りくぼうせい)とも読み、正三角形△と逆正三角形▽をふたつ重ねた形の星型多角形で英語ではヘキサグラム(Hexagram)と読みます。
イスラエルの国旗の中心にも描かれている六芒星マークについて今回は解説します。実は日本の歴史にも関わりがあるマークなのです。
六芒星①ダビデの星説
17世紀以降、六芒星はユダヤ人たちの間では、「ダビデの星」「ユダヤの星」などと呼ばれ、ユダヤ人やユダヤ教を表すシンボル・マークとして存在しています。
そのため、ユダヤ人の国であるイスラエルの国旗には、この六芒星、青の「ダビデの星」が描かれているのです。なぜこの図形がユダヤ人たちのシンボルとなったのかについては謎ですが、古代イスラエルのダビデ王が持っていた楯に描かれていたのがこの「六芒星」であったと伝えられています。
六芒星②ソロモンの指環説
「ソロモンの指環」というものはだれしも一度は聞いたことがあると思いますが、この「ソロモン」というのは王の名前で、先述のダビデ王の息子であり、古代イスラエルの3代目の王として君臨しました。このソロモン王こそが六芒星と深い関係があるのです。
ソロモンの伝説によれば、ソロモン王は大天使ミカエルから授かった指環を使い、強大な魔力を得て、72もの悪魔たちを従え、天使たちをも使い、エルサレム神殿をついに建立したとあります。この強力な指環こそが「ソロモンの指環」と呼ばれ、この指環には「六芒星」のしるしが刻まれていたのです。
真鍮と鉄で出来ていたとされるこのソロモンの指環は、多くの悪魔たちの力を一度に「封印」し、従わせることができるという効果があるといわれ、その強力な封印の力は「六芒星」そのものの力でもあるのです。また、六芒星の効果は金属でこそ、その効果を最も発揮するといわれています。
六芒星③シュメール文明説
シュメール文明とは、ユーフラテス川の下流をその起源とし、メソポタミア文明の起源ともいわれており、地球上で最も古い文明とされています。
それは、徐々に進化を遂げたというわけではなく、この文明が生まれたその瞬間から、数えきれないほどの大変高度な技術をすでに持っていたとされており、この文明が解明されれば解明されるほど、謎は深まっていきます。
そのため、シュメール文明を作り上げたシュメール人は地球外生物であり、かなりレベルの高い異星人だったのではないか、とささやかれているのです。シュメール文明はのちに作られるすべての文明の起源となっていますが、突然どこからか出現したこのシュメール人たちと、六芒星も関係があるようです。それを証拠に、シュメール文明の遺跡から見つかった数々のレリーフに、六芒星が一緒に描かれているのです。
六芒星④日本の神社
太古の歴史から世界各国で見つかっている「六芒星」のシンボル・マークは、太古の日本においても深く関係しています。
日本に古くから存在する籠目紋(かごめもん)と呼ばれる紋様は、六芒星の形そのもので、伊勢神宮をはじめ数々の神社などで古くから使用されています。
先述のシュメールの神話と日本の神話には共通点がかなりあることから、太古までさかのぼれば、日本もシュメールと深く繋がっていたのではないかと言われています。日本に古くから伝わる書を調べ、その内容を知れば知るほど、シュメール文明と繋がっていき、この繋がりは単なる都市伝説では片づけられない事実となっているのです。
六芒星⑤星座シリウス説
この六芒星が表しているものは、星の一つである「シリウス」であるという説がどうやら有力のようです。
「シリウス」はオリオン座の近くにある「おおいぬ座」に属する星で、太陽の次に、地球から見て最も明るく輝く恒星です。色は青色に光り輝いています。そういえば、イスラエルの国旗の六芒星も青色ですね。古代エジプトでもシリウスは「ナイルの星」などと呼ばれ、信仰の中心であったとされ、シリウスに関する神話や伝説は世界中で数多く残されています。
六芒星がその「シリウス」を指すということは、最も地球の人々に影響を与えている宇宙の星が六芒星であり、その六芒星は宇宙のエネルギーそのものの象徴でもあるともいえるのです。
六芒星⑥意味と構造
六芒星の逆三角形▽は火、または男性エネルギーを意味し、正三角形△は水、女性エネルギーを表すとされています。また、光と影、天と地、陽と陰、プラスとマイナス、受動と能動、上昇と下降など、ありとあらゆる相反するもの、そして、互いを必要としあっているもの、補い合っているもの、表裏一体を表し、その相対的エネルギーの調和、融合という深い意味があるのです。
六芒星は星型六角形なわけですが、自然界には六角形の構造を持つものが多く存在し、六角形は自然の秩序に基づいたパワーを秘めながら、力学的にも安定した構造であるといわれています。例えば、雪の結晶、ミツバチの巣、亀の甲羅、昆虫の眼、干上がった地面のひび割れ・・・など、そこには、六角形の最も安定した強い結びつきの構造により、自然に力を最大限に発揮できるような仕組みになっているのです。
蜂の巣 | 亀の甲羅 | 昆虫の眼 | 雪の結晶 |
この構造は、ハチの巣を意味する「ハニカム HONEYCOMB」という言葉から、「ハニカム構造」と呼ばれ、その優れた耐久性により、航空機やレーシングカー、建築物など、今日の構造技術にも取り入れられています。
六芒星の効果的使い方
六芒星の秘めたパワーは、宇宙からも、自然界からも学ぶことができますが、その図形が発揮する効果は、全体のバランス、秩序を整え、宇宙エネルギー、波動エネルギーを集めて、蓄積し、増幅させてその絶大なる力を放つことができるといわれています。
そのため、六芒星を使用する者が、良い心をもって、良い目的に使おうとするならば、強力な護符や魔除けとなり、また、願望達成のチャームになりますが、悪い心で悪い目的に使おうとするならば、呪縛などの呪術の力をも発揮してしまうのです。
その簡単な使用方法としては、六芒星を書いて、その六芒星のまん中に願いを込めて書き入れたり、護符としてその形のものを持つ、六芒星が描かれているものを身につける、そばに置くなどです。それにより、身を守る効果だけでなく、宇宙のパワーを自然に呼び込み、心身のバランスを整え、周囲とうまく調和させ、自分の力を最大限に発揮できるようにすることで、さらに幸運を増幅、増強させるということに繋がっていくのです。
まとめ
六芒星にはさまざまな意味や効果が秘められており、それにまつわる伝説、神話は数多く存在し、その太古の歴史を紐解くことによって、六芒星は現代人にとっても、深く密接な繋がりがあることに気づかされます。
まだまだ解明されていない謎は残されていますが、六芒星の形には宇宙のパワーを取り込む力があり、その力は私たちの身を守ってくれるだけでなく、秩序バランスを整え、さらには願いを実現するエネルギーに変えていけるのです。